前回、ミサワホームHDの粉飾疑惑についてお伝えしました。

『大手住宅メーカー「ミサワホームホールディングス(HD)」(東京都新
宿区)の連結子会社「ミサワホーム九州」(福岡市)の決算が5年にわたっ
て粉飾されていた疑いがあることが、朝日新聞社の調べでわかった。未完成
の住宅を顧客に引き渡したことにして、売り上げを前倒しして計上。すでに
完成した別の住宅の表札を差し替えるなどの偽装で、監査法人によるチェッ
クをすり抜けていた。ミサワHDの決算自体も粉飾されていたことになる。』
(朝日新聞 12月17日)

報道によると、会計士は実際の建物を実地調査していたそうです。しかし担
当者が該当物件を案内するというスタイルでした。そこで担当者は工事中の
建物にカーテンや表札をつけ、実際に人が住んでいるような隠蔽工作をして
いたといいます。

監査法人のみすず監査法人はミサワホーム九州の行動や態度に疑念を抱き、
抜き打ち監査を実施してこの粉飾を見破ったそうです。


ここに効果的な監査はどうあるべきかが示されています。監査日を告げ資料
をそろえさせて行う監査は一見すると効率的です。しかし不正をしている人
間からすればそれだけ隠蔽策を施す猶予が与えられます。

抜き打ちでの監査は隠蔽策を施しづらくなります。不正を行おうという人間
への牽制にもなります。

内部統制=ITという風潮もありますが、抜き打ち監査というアナログ的な
方法の重要性を改めて実感させられる事例です。

メールマガジン「【夢をカナエル】 企業経営に役立つ52の法則 12月
29日号」からの転載です。
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