香港返還25周年記念行事に習近平国家主席が出席し、一国二制度は成功したと表明したことに批判する報道が繰り返しあったが、突っ込みが足りない。一方では少数民族問題で、法治主義が不徹底とか自由民主主義がないとの批判が、日本のみならず欧米諸国では再三報道された。自由民主主義がないと言うのはその通りだが、法治主義に対する批判はやや的外れであり、中国当局としては痛痒を感じないものである。何故なら全ての法令の基礎となる憲法規定では、共産党が全てを指導すると規定されているのが中国であり、一国二制度も、報道もどんな政治活動も中国共産党の指導の範囲以内であることが、法令順守の基礎だからです。1997年香港の主権を中国に返還する為に交渉していた当時の英国当局者は、当然予知していて然るべきだったでしょう。
一方日本にも共産主義を標榜する政党がある。それは日本共産党である。日本共産党は多くの国民を弾圧し、政治的自由を剝奪した旧ソ連や現存する中国共産党とは全く異なると公言しているが、これは欺瞞であるか、無知である。私は1961年以来貿易を通じて中国と広範且つ深く付き合ってきたが、中国貿易業界には沢山の共産党員や共産主義に共鳴している人達がいたが日本共産党も中国共産党に極めて類似していると実感している。主要な相違点は政権与党になっているかいないかだけであると言ってもよく、どちらにも自由民主主義はない。
例えば:
1.    党の首脳を批判することは許されない。まるで新興宗教の如しである。党内論争も公開されず、党員以外は彼らの宣伝内容しか知ることが出来ない。
2.    国会などでの質疑応答の情況をテレビなどで見ると、民主主義の基礎である主権在民(多数決主義と言っても良い)を否定した態度を採る。即ちまるで自分達は多数派代表であるかの如く、高圧的でお説教スタイルを採り、共産党支持率は自民党など政権与党の1/10にも満たないとの謙虚さがなく、多数派を尊重する態度も採らない。
3.    民主主義にも欠点があり、それはポピュリズム(衆愚主義、大衆迎合主義とも言う)であり、国全体や長期的問題を軽視し、国民多数の身近な利害関係問題重視の姿勢を示すことであり、それが過度になれば、民主主義を否定しているのと同じことになる。中国も解放闘争時代は「三大規律と八項注意」として、<大衆のものは針一本、糸一筋も取らない>とか、<借りたものは返す、壊したものは弁償する。人を殴ったりののしったりしない>等(詳細はネット検索可能)とポピュリズムに走ったが、政権を奪取後暫くすると豹変したことは、歴史的事実として明らかになった通りです。
4.    平和を守る為には最大限の外交努力をするのは当然ながら、周辺国の軍事力に見合った国防力を充実させるのは当然であり、スイスやオーストリア、北欧諸国等多くの日本人が憧れる国々も徴兵制を含む国防努力をしています。多くの日本国民は米軍基地が日本にあることに不快感を持ちながら、万一の時は米軍が守ってくれるだろうと思っているが、共産党は更に軽視し日米安保条約の廃棄を訴えています。ウクライナ問題を見るまでもなく、ソ連と云えどもNATO諸国には手出しができなかった事実を肝に銘じるべきでしょう。中国は尖閣諸島を国内法で既に自国に取入れ、沖縄も昔は中国傘下の王国だったとしていることも知るべきでしょう。

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