日米豪印四ヶ国の協力枠組み、「クワッド」の首脳会議が開催され、対中非難等が表明されたが、ほとんど効果は期待出来そうにない。中国側から見れば、西側諸国に一定の価値観があるように、我々には我々の価値観や法制があるとするからです。現代は、軍事力による戦いのみならず、情報戦、言論戦も極めて重要な時代であることは、論を待たないが、その場合相手国の国民への影響力も考慮し、相手国の価値観に基づいても、又は相手国が過去に表明している意向・基準に照らしても違反していると断定した方が、より効果的であろう。
1,    例えば、ウイグル族やチベット族への弾圧批判に対して、中国は内政問題に干渉するなと主張するが、斯様な民族問題は、単に内政問題のみならず、国境を越えた人類の歴史的発展に関する世界共通の問題なることは、南アのアパルトヘイト非難時に中国も表明したではないかと指摘すべきでしょう。
2,    又台湾問題に関しては、現在の中国は国共内戦の結果成立したが、国民党軍は台湾領域では敗北しておらず、その為中国の軍隊は、「解放軍」と呼称しているではないか、「一つの中国」に異論はないが、中国共産党の率いる政府や軍隊が台湾を統治したり、占領したことはないことを銘記せよとも言えるでしょう。今後時代の変化の中で、中国大陸内部で政治的な変革が生じて、自由・民主的政権に交代しないとは断言できないでしょうとも言える。
3,    覇権主義については、最近の中国は明らかに覇権主義の方向に歩みを進めているが、1972年9月、田中総理が訪中し、日中国交正常化が成ったが、その時の重要な共同声明で、「日中両国は覇権主義を求めず、反対する」と明確に表明したことを遵守せよと言うべきでしょう。戦前日本が海洋国家であるにも拘わらず同時に大陸国家たらんとしたが、戦後70年余そんな動きは一切していない。公約を尊重するなら、大陸国家である中国は、同時に海洋国家たらんとする動きや、その様な誤解を招く動きは一切すべきでなかろう。
4,    歴史戦では、中国はよく日本に向かって「歴史を教訓とせよ」と言うが、中国こそ「真面目に歴史を教訓とせよ」と反論すべきでしょう。むしろ中国の戦略は、昔の日本や欧米諸国の植民地主義を真似しているとしか思えない。これは歴史の発展に逆行しており、一方日本は学び過ぎで、「羹に懲りて膾を吹く」状態である。国家防衛に関連する憲法前文と9条を見ただけで一目瞭然であろう。こんな弱弱しい、国防規定を持った国はあるだろうか。
5,    日本は古代に於いて、中国や韓国等朝鮮半島から幾多の先進的文化を学び導入して来た。漢字、仏教、法令、都市計画等々、学校教育の場でも重要な歴史的事実として、子供達に教えている。近代に於いては侵攻・支配だけでなく日本側から援助・指導した面も少なからずあるが、歴史教科書での記述は控え目である。
中国や韓国での日本に関する歴史教育は公正であるとは言えないであろう!

互いに学び合い、助け合いの関係を強化、発展させていきたいものである。観光旅行など通じて、民間交流が増加し(コロナ禍で当面は低調だが)、相互理解が深まっており、事実に反する意図的な政府関与や宣伝は、継続不能になるであろう?!

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