ロシアのプーチン大統領は突然ウクライナに侵攻し世界中を驚かせたが、非難轟轟の声が沸き上がり、冬季オリンピックへの参加は身分変更をしても(国を代表せず、国旗の使用をせずとも)、参加は許されなかった。殆どの人々には全く予測不能な不幸な大きな出来事であった。更にロシアだけでなく、ウクライナの北側に隣接するベラルーシも同様の処置を受けた。ベラルーシ(中国語では意訳し白ロシアと言う)の総人口は一千万強だが、八割近くはスラブ系で更に13%はロシア人で、ルカシェンコ大統領の独裁政治が30年近く続く一方プーチンの子分役を演じている。
ウクライナ(人口は日本の半分、国土面積は日本の1.5倍で昔より美人が多いので有名)の南側のクリミヤ半島(九州程の面積)は黒海に突き出ているが、ロシア人が多く住み現地人の多くは自治やロシアへの併合を求めていたと称し、それを口実に8年前からはロシアが侵攻し、武力で制圧し強引にロシアに編入してしまった。プーチンは現地人を戦前のイスラエルになぞらえ、ウクライナのゼレンスキー大統領をヒットラーと同じく、現地ロシア人を大量虐殺をしていると主張している。本質は31年前にソ連が崩壊し、多くのソ連内部の共和国は独立し米英主体のNATO (北大西洋条約機構)への参加を続けており、ウクライナも加入する恐れありとして警戒感を強め、ウクライナをベラルーシ同様ロシアの属国にしたいのが本音であろう。
今後どんな    経過を辿るか予断を許さないが、本質は「権力は腐敗し易く、絶対的的権力は絶対に腐敗する」と言う歴史的に証明された事象の一つと言えます。独裁主義や専制主義、権威主義と言われる他の国々も過ちを犯し又は腐敗しているのは当然です。国連総会の決議で、ロシアのウクライナ侵略非難決議に141か国が賛成する一方、中国、北朝鮮等5か国は反対しましたが、当然でしょう。人類は幾多の悲劇を経験し、歴史的に教訓を得て、不完全ではあっても自由と民主主義体制の実現こそ解決方法だと学んでいます。斯様なことは国家問題だけでなくその他諸々の組織に就いても言えます。日産自動車を見事に立て直したカルロスゴーンでさえ、大きな過ちを犯すことになったのも同様です。
ウクライナ情勢がどうなるか、ヒントになりそうなことを思い出しました。それは私が昔北京駐在していた時代(1967年)に、中国人知識人がベトナム戦争の去就について言った言葉です。彼は「アメリカは北爆する等巨大な軍事力で一見強そうだが、最終的には地上戦であり、第一線にまで、移動式発電機や冷蔵庫を携行して冷たいビールを飲んでいる。一方ベトナム人は子連れのお母さんまでもが、祖国や家族を守るため、川の中や藪の中に潜んでいて、米軍が近づけば手りゅう弾を投げたり、銃で狙撃するからだ」と云う言葉です。6年後の1973年には南ベトナムは敗北し、正にその通りだなと思わされた。結局は人々が自分の国は自分達で守るとの固い決意があるかどうかで、所詮外国の援助は副次的な要素でしかないでしょう。当時の南ベトナム政府は腐敗堕落しており、米軍への依存心だけが大く、自己防衛の覚悟がなく、上層部は早々に他国に逃げ出し、一般人の避難民も多数発生しました。
ひるがえって、日本の現状を見るにほとんどの日本人には国防意識などなく、米軍基地の存在には不愉快な感情を得抱きながら、一方では日本の安全保障の核心的な部分はアメリカ頼りの現状は、日本の周辺諸国の情況(次回報告)を考慮すると危ないと思わざるを得ません。


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