2021-10-18中国進出-中国を知る(211)中国との付き合い方(1)
最近中国はTPPに参加したいと申請、多くの参加国は困惑しているでしょう。本来中国では国営企業等政府管理下にあり、私営企業であっても政府の意向次第で何時でも管理下に置けることは周知のことだからである上、台湾も追いかけるようにTPP参加を申請したからです。
中国政府は台湾の参加は阻止したいところですが、ルール的には自由・民主主義の地域である台湾の方が参加資格者であるように見えるが、既存の参加国は中国との経済的関係が大きく、中国政府の意向を無視する訳にもいかず、どう云う結果になるにせよ相当もめそうである。本件に限らず、中国は1972年9月の国交回復時に約束した「覇権を求めず、何処の国であれ覇権主義には反対する」を反古にしており、自己都合次第で横車を押す傾向は今後益々強まるとみるべきでしょう。この様な中国とどのように付き合うかは、国の外交問題や安全保障問題のみならず、現地で企業経営に当たられている皆さんは日々ご苦労されていると拝察致します。以前私の当ブログで散発的に私の対処経験等紹介致しましたが、数回にわたり要約的に再度ご紹介致したく思います。
1. 人口は14億人と日本の11倍もあり国土面積は960万㎢と日本の25倍もあり、全体としての経済規模は既に日本より遥かに大きく世界第二位となり、アメリカに迫ろうとしているが、大都市やその周辺以外は大変貧しく、北京や上海、深圳の1/10にも満たない生活レベルの人々は今なお一億人以上も存在し、1/2程度以下のレベルなら全人口の半分(7億人)以上にも達する状況にあることです。「共同富裕」を唱え出した習近平政権にとっても、経済レベルの現状改革、特に富の分配は待ったなしの状況にあると言えます。昔と異なり如何に制限しても情報伝達が広く行き渡っている現代と中国の体制崩壊は外圧よりも内政混乱が主たる原因であった数限りないほど多かった歴史上の体験が重くのしかかっていると言えます。現代の世界政治・経済の動向に合わせる余裕などないのが実態です。
2. 一方では、清朝の聖祖(康熙帝)時代後期(17世紀末ごろ)から高宗(乾隆帝)時代後期までの約100年間は当時の世界経済の3割を中国が占めていたと言われ、習近平に限らず現代中国の為政者や知識人にとっては、当時と同程度の位置付けに達したいとの願望が「中国の夢」となってくる訳です。貧しかった30年前までの中国が盛んに反対していた覇権主義のみならず、民族自決を唱え民族差別に反対していた時代もなかった如く振る舞い、西側諸国(自由民主主義を標榜する先進諸国)が既に克服した、近代以前の植民地主義や覇権主義をあたかも真似している様になってしまったのが実情です。
3. 日本に対しても歴史を教訓とせよと迫るのみならず、自国内でも数百の「日本の悪行史跡展示館」を設立し、学校教育でも日本ではあまり教えない斯様な近代史を繰り返し教育しているのが現状です。戦前日本は悪行ばかり働いたわけでは無く、台湾等是々非々で対応して、大変親日的になっているが、中国(韓国はもっとひどいが)は否定的側面のみ強調している。その原因は日本側にあるのではなく、彼らは古代文明では日本の師匠であり、大先輩だったので、日本は弟子か後輩の如く振る舞うべきだとの潜在意識を強く保持しているからでしょう。日本の過ちは海洋国家であるにも拘わらず、同時に大陸国家でもあらんとしたことであり、これは完全に克服されているでしょう。従い大陸国家である中国が同時に海洋国家たらんとするのは絶対に誤りであると認識するなら、歴史を教訓としていると言えるでしょう。続きは近日中に!
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