2020-9-11 中国進出―中国を知る(200)日本共産党に就いて(1)
私が学校を卒業し、商社に就職したのは1961年4月であるが、初めて北京に駐在した1965年頃まで日本共産党は中国側と大変仲が良く、前回末尾で触れた如く、日中貿易促進会と云う団体を持っていた。1966年中頃より中国で「文化大革命」が始まると、それを日本共産党が批判し始めた為、仲違いするようになった。当然ながら中国と取引する商社には、共産党員やそのシンパが沢山いたが、彼らは個人としては人格や知的レベルの高い人達が多かった。然し私の如く、自由と民主主義を信奉する人達は、彼等からは“右翼”と言われた。不思議なことに、彼等こそ非民主主義なのに、彼らが支援し又は支配する団体などには、「民主」との形容詞が付けられていた。
私の見方では共産主義は一種の理想主義であるので、権力を獲得するまでは中国でも、建国前がそうであったように、大衆に寄り添い善行を積むが一旦権力を握ると、「権力は腐敗し易く、絶対的権力は絶対に腐敗する」と、歴史的に証明された如く変わった。昔ソ連東欧では幹部党員は、陰では支配階級と呼ばれ、今の中国では陰で権貴族と呼ばれるようになった。
日本共産党や左翼的な人々は、中国の共産主義を批判しただけでなく、深入りし過ぎてスパイ容疑で拘留された人達も少なくなかった。中国の如き社会体制では自由な言論などあり得ず、
深入りすべからずと心得ていたせいか、私だけでなく日本人商社仲間から“右翼”と呼ばれていた人達は、中国当局から嫌疑を受けることは、ほとんどなかった。
1、 日本共産党の不思議なのは、知識人が多いのにも関わらず、自分達は中国や以前のソ連東欧諸国の共産主義とは全く異なると信じていることです。政治の世界を見ても、彼等を信任する人達は、この数十年5-7%に過ぎないにも関わらず、その何倍もの信任を得ている自民党等に対して、上から目線で激しく批判するので、謙虚さはなく本当は民主主義等信じていないのではないかと危惧される。
2、 中国共産党の重要な政策・方針や人事は、毎年夏の避暑地である北戴河での非公式会合や非公開の秋の常務委員会で決められ、公開される全国人民代表大会は、まるで学習会の如き様相となっている。日本共産党の物事の決め方も、ほとんど非公開であり外部からは窺い知れず、自民党やその他多くの政党とは大きく異なり、やはり共産主義は国が違ってもその性格は、類似だなと思わされる。
3、 民主主義の唯一の欠点はポピュリズム(衆愚主義)で、それは一般人が強い関心を持つ問題、即ち身近な利害関係や福祉政策を過度に強調し、長期的問題や国全体の安全保障問題等は軽視することであるが、共産党の諸活動を観察すると正にこの通りであろう。
4、 昔党内選挙で田中角栄に負けた福田赳夫氏は、「天の声にも、時には不思議な声もある」と述べことや、天皇陛下の一般大衆に対する呼称である「大御宝」(おおみたから)と云うような、一般大衆を尊重する呼称は、共産党にはなさそうである。共産党幹部は、中国でよく使われている呼称、指導者や指導階級類似との認識なのではなかろうか?
5、 一般人にとっても、まるで新興宗教同様、共産党の内部は不透明であり、外部からは伺い知れず、首脳部の交代もあまりなく、民主的な組織には見えないであろう。
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