2019-12-27 中国進出―中国を知る(188)日中関係はどうなるか?(1)
4-50年もの昔商社マンとして東欧諸国とも取引していたころ、現地に駐在したことがある先輩から、「ルーマニアはバルカン半島のコーリアである」と教えられたことがある。これは東欧諸国の中で、ルーマニアのみがラテン系民族の血を引いた人達により構成された国家であり、他の東欧諸国から差別されいじめられたこともあり、不本意ながらもロシアはじめ他の強い諸国の言うことを聞くと云う“事大主義”に陥っており、時には平気で嘘をつくことが習性になっているとのことであった。これは“事大主義”の本場は、韓国や北朝鮮等朝鮮半島の人々であることをも意味しており、言い得て妙である。
一方朝鮮半島の人達、特に政治家や知識人は中国大陸の人達とも強い共通点を有している。それは前にも触れたように、「歴史を教訓とすべきであるが、日本は歴史を教訓としていない」と言うものである。彼等の言う「歴史を教訓とする」は、日本だけでなく世界的に見ても理解し難いものになっている。と云うのは、戦前朝鮮半島が日本に併合されたり、中国東北地方に満州国が建設されたり、中国各地に租界地を作られたのは、「自己が弱かったからであり、内部分裂していたからである」と認識している。此処までは正しいと思うが、同時に彼らは「日本は立場を入れ替えて、戦前の自分達の如く我々の言うことを聞くべきである」との強い潜在意識を有するに至っていることである。これはリベンジ主義であり、正しい歴史教訓ではないことは誰の目にも明らかであろう。これが東南アジアや他の太平洋諸国のみならず、南北アメリカ、ヨーロッパ、さらにはアフリカ諸国の対日認識と決定的に異なる根本原因である。韓国のマスコミは、日本の天皇を国王(存在せず)と呼んだり、日本の国旗である日章旗に準ずる旭日旗(早朝昇天する太陽を表現)に対して憎悪を感ずると言ったりするが如き状況が恒常化していることだけでも、日本だけでなく世界の常識とはかけ離れた国と認識すべきであろう。
さて中国は如何と見れば、一見韓国よりはマシだが、底流は類似状況にあり、より深刻な状況にあることを軽視してはならない。主な問題点を挙げると:
1、 日本の尖閣諸島周辺を毎日の如く、中国の艦船が周遊しているが、これは中国では自国の領土の一部(中国では釣魚島と呼称)であるとして、日本等他国の侵犯を防ぐために巡回・監視しているとしている。中国の根拠は500年も前からその存在を知っていたと云うのみで、国際法に照らして日本の領土になっていることは意図的に無視している。
2、 1972年に田中角栄首相が訪中、交渉して、国交回復の日中共同声明を出したが、その中で重要項目として、「日中両国は覇権を求めるべきでなく、又他の如何なる国の覇権主義にも反対する」と表明し、1978年成立の日中平和友好条約でも同文を重要項目として規定しているが、実際はこの十年余当条項を無視し続けている。江沢民も習近平も米国訪問の折に、アメリカ大統領に向かって、「太平洋は我々二国が東西に二分割して管理するのに十分な広さがある」と明言し、大陸国家であるにも拘わらず、海洋性国家でもあるが如く振舞い始めたことは、正に覇権を求め始めた証左であろう。
3、 日本人が次々とスパイ容疑で逮捕されているが、私自身の経験に照らしても、意図的、政治的なものであろう。以前親しくしていた中国国営貿易会社のある幹部は「中国の状況を知らない外国人は困った存在だが、知り過ぎた奴等の存在も困りものである」と云ったことがあるが、正にその通りであろう。逆に政治、経済、技術など分野を問わず自国民に対して、外国の情報取得には、あらゆるチャンスをとらえて実行せよ、と云うのが中国である。
この続きは来年一月にしましょう。良い年をお迎えください。
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