2018-8-24中国進出-中国を知る(166):北朝鮮は昔の中国の轍を踏むか?
中国の国営企業は国(省庁)の直轄経営と思い込んでいる向きもあろうかと思うが、そのような企業は大企業に限られ、規模に応じて第一級地方(省、自治区、直轄市)、一般的市や県級レベル、更に町村レベルの管理運営となっている。昔は街角のライター販売修理、ガス補充のスタンドにまで国営との看板があり、聞いてみると横丁経営管理とのことだった。要するに国営とは公営企業と理解するのが至当であろう。
1、 以前存在した人民公社も市町村経営で、農作業や食事も共同であった。文革中の1967年の夏に北京市南郊外の黄土崗人民公社を我々若い日本人“紅衛兵”として農作業を手伝いに行ったことがあるが、みんな不慣れな仕事の為、農産物を痛めてしまい、一時間ほどで「もう結構です」と言われたことがある。「お湯を飲んで下さい」と言われ、不ぞろいの茶碗に白湯を出された。彼等の自慢は「毛主席のお陰で時計、ラジオ、自転車の三種の神機を持っている」とのことだった。同年秋の広州交易会(大きな展示場が併設され世界中から累計一万人ほどの商人が集まり、9-10月の一か月間で各種の取引があった)に参加した時は広州西方の大歴人民公社と北方郊外の東方人民公社を見学したが、前者は貧しく公社所有のトラックは2台のみ、一方後者は50台も所有しているとのことだった。どちらも農作業は共同作業であり、食事も共同とのことであったが、我々もご馳走になった。意外にも食事内容は豊富なものだった(特別に用意したかも!?)。只物珍しそうに集まって来た子供たちはみんな裸足で、継ぎはぎだらけのぼろ服を着ており、終戦直後の我々日本の子供達と同じだな!と心中同情に堪えなかった。要するに人民公社は基本的に集団生活、共同作業でとのことで実際は効率が悪かった。劉少奇の自留地容認により急速に農村経営が豊かになったことが何よりの証拠だった。
2. 元来中国人は個人主義的傾向、むしろ利己主義に近いと見た方が良い。スポーツの世界でも個人競技では日本以上の成績を出すが、チーププレイを必要とする競技では、国家的に日本の何倍もの援助育成体制を敷いているにも拘わらず、中々良い成績が残せない。それだけに止まらず普及もしない。昨夜(8月23日)アジア大会の競泳女子400mメドレーリレーで、引継ぎに失敗し(韓国も)失格となってしまったこと等、象徴的な出来事であろう。又野球を普及させる目的もあって中国でのオリンピック開催時、北京に立派な野球場を建設したが、その後ほとんど利用されず朽ち果てているとのニュースがあったが、むべなるかなと思わされる。以前良く中国人から「昔中国の至るところが日本により支配されたが、本来一対一なら中国人は日本人に負けないが、二対二だとあやしい、三対三以上では必ず負けるよ!」と聞かされたものである。喜んでもいられないのは、逆に日本人は周囲ばかり気にして自己主張があまりなく、何を考えているのか分からないとの国際的マイナス評価があることにも留意が必要であろう。
3.中国と北朝鮮の共通点はどちらも独裁国家であることだ。然し中国は共産党一党独裁であるが対外開放政策を推進していること(以前報告したが、鄧小平は独裁体制ながら資源もなく小さい領域しか持たない韓国、台湾、シンガポール、香港が経済発展した様子を小龍と称え、「四つの小龍に学べ」運動を展開した程であった)に対し、北朝鮮は封建時代さながらに、一族独裁体制であり地方自治体や個人の自由度は日本の江戸時代にも及ばないであろう。とりあえず中国程度の改革開放政策に踏み切れるか注目したい。
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