2017-8-16 中国進出-中国を知る:(146)結局中国(人)とは何ぞや (10)
最近陳舜臣の書き下し歴史書「中国五千年」を久しぶりに読み直してみた。日本の歴史と較べ権謀術数、下克上、分裂と統一の繰り返しがあまりにも多いのを再認識した。然し孫娘の高校時代の世界史の参考書を閲覧してみると、この様な状況は世界的に普遍的に存在しており、中国だけが特別と云うことではなく、むしろ日本の方が特別だなと感じ入った次第である。
1、 世界的に見て限りなく性善説に近い日本であるが、昔中国の知識人から「本当のところ、日本の中立平和主義を唱えている人達は信用できない。何故ならアメリカの核の傘で守られながら、恰も自分達は聖人君子であるがの如き主張するのは欺瞞だ」と言われたことを思い出した。付け入るスキがあれば付け入るのが世の習いと信じている人達と日本人とは大いに異なるが、多くの“良心的な日本人”は中米の人々の感覚からすれば幻想の中に生きていると言えよう。最近は多くのテレビ番組で、外国との交流の様子が報じられ、日本社会の清潔感、安全感や日本人の親切ぶりを紹介しているが、日本人には特別な情況とは感じない。
2、 今なお左翼だ、右翼だと云うような議論は現実離れしている。昔のナチスが本来「国家社会主義ドイツ労働者党」と言い、日本には大政翼賛会が一時的ではあるが存在し、現に中国では共産党が同様の実態であり、心中共産主義を信じていなくても、共産党の政治的支配に異議を唱えることは国家反逆罪に問われることは周知のことである。一般大衆の自由な議論や選挙により政権を選択できる体制やそれを維持している政権与党を、右翼とか帝国主義とののしる人達が、日本にも居ることは誠に不思議である。政党内を含め自由な議論が行われ、それが公開されているかどうかこそ、全体主義か、独裁主義かの判断の分岐点であろう。
3、 私の居住する地域に熱心に市政活動をしている共産党員である市議会議員がいる。市民生活に関する事項では、その熱心な活動に脱帽の感があるが、外交、安全保障に関する主張は党中央のオウム返しであり、彼女は限りなく性善説に近いか、幻想の中に居るとしか思えない。近隣諸国の動静や、小笠原諸島や尖閣諸島の周辺の漁場がどんな状況にあるかには目をつぶっているとしか思えない。
4、 この様な社会的風潮はどうして生まれたのか?アメリカとの太平洋戦争の結末に対して、二度と戦争は繰り返してはならないとの善良な市民感覚が先ず上げられよう。次に“平和憲法”に代表されるアメリカの日本人洗脳政策の余波と言える(現代ではアメリカ当局はやや後悔している様に見えるが)、第三に戦後日本周辺に相次いで社会主義国が誕生し、国際主義の名の下に多大なる影響を日本にも与え、政党を含め多くの左翼組織が誕生したことが挙げられよう。
5、 従来社会主義諸国は平和勢力であると信じ国際的連帯を求めていた日本の左翼勢力も、これ等諸国の実際の行動を知るにつれて、その認識の誤りに気付き始めたが、自尊心が邪魔をして素直にはなれず、社会主義諸国の不都合な動きに対しては、見て看ないふりをしているとしか思えない。結局はマスコミを含めて、どうしてもそれを語らなくてはならない場合は、淡々と語り、日米等の自由民主主義者の言動に対しては、批判的に語るようになってしまった。
将来の世代の為にも、是々非々で以て語り、報道して貰いたいものである。
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