2017-4-11 中国進出-中国を知る:(137)結局中国(人)とは何ぞや (1)
私の中国での長期滞在は、2009年8月末71歳にして終了し、その後は短期旅行のみとなったので、時間系列的紹介は一段落としたい。とどのつまり中国(人)とは何ぞや、と言うことに収斂・総括してみたい。学生時代、東京のアメリカ人の家に一年弱居候していた時を含め、主として仕事を通じて、中国、ロシア、韓国、北朝鮮、香港、ルーマニア等東欧諸国との交流を通じて多くの事柄を見聞し学んで来たが、やはり日本人は中国人以上に特殊だなと思わされる。古来性善説とか性悪説との言葉があるが、人間は単純にどちらかに分類はできないと見ているが、日本人は間違いなく性善説に最も近い存在であり、中国人を含めて世界の人々は日本人ほど性善説に近くはないと見ています。
1、 仕事上の大先輩に戦前の中華民国時代に、国により選ばれて中学生の年齢で中国に留学した人が居た。彼は人生前半を数奇な運命に翻弄され皇軍の特務的仕事をした挙句、日本の敗戦後は抑留されたが、1950-53年の朝鮮戦争では義勇軍に参加させられ軍医(医師の資格はなかったが)として、朝鮮半島にまで足を延ばしたと言う。酒好きな彼は医療用エチルアルコールを薄めて酒代わりにしたこともある。1958年に帰国し、中国貿易に従事し私の大先輩になった次第、彼の言動は世間の常識を超越しており、教えられることが多かった。
ある時、「とどのつまり中国人とはどう云う人達ですか」と尋ねたら、彼は即座に「中国人は快楽民族だよ、それに引き換え何でも深刻に考える日本人はテンション(緊張)民族だよ」と論断された。
2、 高校時代に漢文の教科書にあった「鼓腹撃壌」と言う古詩を、現役時代に思い出すことが多かった。この詩は中国の史書の要約版として、14世紀に子供向けに刊行された十八史略からの引用であったが、伝説上の聖帝、堯が市井の状況を視察した時に、ある居酒屋で一人の老人が満足そうに次のように唱っているのを聞き安心したとのこと。即ち「日出而作、日入而息、鑿井而飲、耕田而食、帝力何有於我哉」(お日様が出れば仕事し、お日様が沈めば休み、井戸を掘って水を飲み、田んぼを耕して食べるだけのことさ!天子様のお力なんぞ、ワシには全くかかわりありませんぜ!)だが、これは理想の政治の在り方を示したものでしょう。
3、 10前の大連勤務時代に、史上代表的美人の一人、「王昭君」の連続テレビドラマがあった。
一年間初めから終わりまで見たが、彼女は本来山村の娘だが、前漢末期の元帝の愛妃が急死した為代わりの娘を国中探し回り献上されたものだった。王昭君は皇帝が選考するための肖像画(皇帝は直には見ない)を描く絵師に賄賂を出さなかった為、当時不吉と言われていた泣きぼくろを描き加えられた。その為選定漏れになったが、当時時々前漢領内に進攻してくる東匈奴(古代のモンゴル人)との和睦を計る為、ボスである呼韓耶単于に皇女を嫁すことになったが、実際の皇女達はみんな嫌がったので、王昭君を養女(皇女)に仕立て上げ、嫁すことになった。モンゴルに送り出す直前に本人を目にして、元帝はその愛くるしさに驚愕し、絵師を罰したが、遅すぎた。その為か元帝は急死、呼韓耶単于も翌年死亡、彼女は匈奴の風習に従い、単于の長男と再婚したが、伝説とは異なり、幸せな生涯を送った模様。縁があり湖北省西部の彼女の生家や呼和浩特西南部にある墳墓を参観した。このドラマを取り上げたのは、元帝の「匈奴は何故に略奪を働き、我が臣民を殺傷するのか?」との下問に、「天候の悪い年には家畜まで全滅するので、豊かな漢族を殺し食物を強奪する以外生きようがない」と回答、淡々と斯様なやり取りがされるのに、ショックを受け、これも中国人やモンゴル人の血に流れているなと思わされた次第。
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