2015-12-30 中国進出-中国を知るS.(100)歴史認識問題
中国や韓国からは、日本政府首脳は過去の侵略や植民地支配に対して反省も足りず、謝罪も不十分だと繰り返し非難されている。今般韓国との間では慰安婦問題で決着され、今後この問題は蒸し返さない旨、即ち不可逆的な解決に合意したと報じられた。然し、慰安婦を象徴する少女像の撤去等は、民間人が設置したものである為、努力するとの意思表明のみであった。これは公道への設置である為、許可なく設置されたものなら当然、政府の意向次第で撤去可能なはずであろう。戦前の日本の所業に関連する問題では、中韓両国は何かと恣意的な解釈と行動をする一例である。慰安婦問題で表面的には解決したかに見えても、韓国政権が替われば又別な問題を日本非難の口実にしないとも限らない。
中国ではもっと組織的、計画的に対日外交のみならず、対米関係を含む世界戦略を練って進めていると見るべきでしょう。伝統的にはアジア・アフリカ等発展途上国の利益代表であるかの如く振舞い、遠交近攻の故事に倣い西欧諸国には秋波を送り、アメリカに対しては太平洋を二分してお互いに管理していこうと呼びかけている。中国が北朝鮮に100万の大軍を送った朝鮮戦争終結(正しくは停戦)後は、60年以上東アジアでは平和が続いているが、日本は戦後体制をくずそうとしていると非難される。その中国は最近大陸国家であると同時に海洋国家たらんとしているのは明白でしょう。本来海洋国家である日本が軍事力を以て大陸に進出するという失敗に学んでいないでしょう。太平洋やインド洋には沢山の海洋国家が存在しており、これらの地域に軍事力を背景に中国が影響力を広げようとすれば、必ず失敗することは歴史を正しく学んでいれば分かるはずだが!
一方平和を叫び、米軍基地には反感を持ちながら、有事の際には米軍が守ってくれると思い込み、ほとんど自助努力の意識のない大多数の日本人は、厳しい国際社会の現実から眼をそらしているとしか言えない。斯様な実態を知っているアメリカは、日本の離島の一つや二つに外国の偽装漁民達が大挙して押しかけても、口先で非難するだけで、実際には動かないでしょう。助けて貰いたいなら、相手が困っている時にはこちらからも助けるという、ごく当然な相互主義の気持ちが日本人にはないと見られているのが原因。日本はむしろ戦前の状況に学ぶことが、「過ぎたるは及ばざるが如し」となっており、平和を守る自助努力が不足していたが、国際的常識に照らしてやっと修正過程に入ったと言えるでしょう。中国や韓国は戦前の日本により近く、あまり歴史に学んでいるとは言えないことは、実態を見れば一目瞭然でしょう。両国の本音は、自分達は軍事力にどんなに注力しても良く、日本は限りなく非武装に近い状態であってほしいということかも知れません。類似現象として、中国は海洋国家同士として東南アジア諸国と日本が安全保障面で協力関係を構築することに、強く反対している。それは海洋支配地域を広げていく上で障害になると認識しているからでしょう。周辺国とは一対一で交渉していけば、軍事力や経済力で、中国が圧倒的に強力であるから、交渉が有利に進められると考えているからでしょう。戦後最近まで中国周辺の海域は平和の海だったので、その基礎条件を変えないよう、粘り強く求めていくべきでしょう。
戦前日本の軍事的行動により、人的物的に多くの災難を与えた東南アジア諸国とは、現在平和的な交流がされているのに、中韓両国とは、国交正常化直後から暫くは友好的な交流が続いたにも拘わらず、ギクシャクしてしまったのは何故か、次回更に説明しましょう。
どうぞ 良い新年を!
(2015-12-30記)
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