2015-7-4中国進出-中国を知るS(90)戦後70年首相談話に寄せて(5)
「歴史認識」問題は、中国に限って言えば、深層心理として「本来我々は日本の古代文明の師匠、教師、父母であるにも拘わらず、近代に至って蹂躙、支配され人的、物的に多大な被害を受けた。半ば弟子、学生、子供である立場の日本が加害者になったのであり、半永久的に謝罪し続けるべきであり、その様な態度が基礎となって初めて友好関係が維持される」として植え付けられており、韓国に至っては更に、過激になっているが、中国、韓国の如き中華思想のない東南アジア諸国は「欧米等白人の支配から日本は解放してくれた。日本は欧米に替わって我々を支配しようとして、災害も与えたが既に賠償し、戦後の発展に協力してくれている」として、恨みを抱いてはおらず、大変友好的である。この様な相違点の背景に留意する必要があります。
殆どの識者は論じていないが日本として、中韓に対して強調すべき重点は、次の2点である。
1. どんな国や民族にも自尊心があり、互いに尊重し合うべきである。その上で、歴史は時代背景も踏まえて是々非々で認識されるべきであり、現代の価値基準で以て一方的に断定し非難攻撃のみ繰り返すのは建設的でなく、長期的な友好親善関係樹立の妨げになるだけである。
2. 更に重要なのは、夫々の歴史認識が正しいかどうか検証する確実な方法は、日本に就いては戦後歴史を教訓として来たかどうか、実際の日本の行動を点検してみることである。軍事力を以て他国を威圧したり、支配したりしたことがないことは明白であろう。何処の国へも軍事的攻撃をしたことがなく、何処の国の人間も一人として戦死させていないことも周知の通りである。
一方中国や韓国が戦前の日本を反面教師としているのであれば、軍事力偏重政策は採らないはずであり、何処とも干戈を交えないはずである。朝鮮戦争、ベトナム戦争、幾多の国境紛争での軍事的衝突はどう説明できるのか、ということである。
3. 以上で分かる様に、日本はむしろ歴史に学び過ぎており、「羹に懲りてナマスを吹いている」のが実態であり、中韓両国は、戦前の日本を反面教師として十分なる歴史認識を持っているとは言い難いのではなかろうか?日本は尖閣諸島に滑走路を建設もしていないし、首相が上陸してこれ見よがしに、テレビで放送させるようなこともしていない。
日本人として、大切な観察点として、中国韓国共に相手が強大であれば謙虚に応対し、相対的に弱化していると思えば、傲慢になる傾向、即ち事大主義になることを見据えることである。確かに古代文明では大陸、朝鮮半島から幾多の事柄を学び、近代に至っては欧米諸国に学び、更に創意工夫と質の向上に努めると共に、伝統文化をも育んできたことには大いに自信を持ってよい。
一方平和維持には実際の国際情勢の推移を直視し、幻想的な理想主義に陥ることなく、絶えず抑止力を高める努力を怠らないことであろう。島国である日本は、昔は世界の情勢に疎く、半ば 一国平和主義であったが、現在交通通信の発達により、地球全体が半ば島国、又は宇宙船地球号とも言える情況になって来ている。周囲の人々に対する思い遣りや助け合い精神がなければ生きて来られなかった日本人の歴史的経験及び生き方は、世界の人々にとっても貴重な手本となるのは間違いないと信じます。
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