中国進出―中国を知る(78):中国の夢(5)
中国では今でも日本の蔑称である「小日本」、「東洋鬼」と言う者や、中国人の部下を
不当に扱ったりする日本人上司を陰では「日本鬼子」と言うことがありますが、日本に来たことがある中国人は、殆どは親日的であり、日本とは仲良く付き合ってゆきたいと思っています。ネットで沢山見られる中国人の各種各様の日本や日本人へのコメントを見ていますと、善意に満ちたものが殆どです。又日本でも戦前の如く中国人や韓国人を蔑視した様な呼び方をする人は殆ど居ません。然し中国人の公開の場や数人以上同席の場合の発言となると、全く異なることを言います。これは本音ではありません。例え日本での発言であっても、中国共産党や中国政府を批判することが禁じられている中国に伝わることを恐れるからです。惻隠の情を以て接したいものです。
1.国交正常化する前だが、商社マンとして訪中する際、団体を構成して香港経由で行く場合が多かったのですが、業界の先輩からは「香港では言論は全く自由だが、スリが多いから身の回りは気を付けなさい、深圳通過後はスリやコソドロはいないから身の回りに注意する必要はないが、君はやや右翼的だから口元には気をつけ、仮にも中国政府を批判したと思われるような発言はするな」と注意されたものです。
2.文革時代も天津、北京、広州等で仕事をし、生活した私ですが、不思議と中国側から批判されたことはありません。当時(1967年)でも中国に輸出した設備を納入据付する為に日本のメーカーから若い技術者が長期出張し、紅衛兵との座談会に参加したことがあります。中国の紅衛兵が「日本は豊かな国でテレビや自動車が普及しようとしているが、国際連帯を示すためにアジア・アフリカで解放闘争をしている人民の援助に回すべきです。」と言ったことがありますが、日本の若者は「自分が働いて稼いだ金で何を買おうと勝手でしょう。若し彼等に金を渡したら、彼等にとっては不労所得になり、搾取の一つになるでしょう」と言ったら、紅衛兵達は話題をかえてしまったことがあります。むしろ思想的に中国に近かったはずの多くの商社マン(友好商社の)が、中国人と思想的に激論し、一部の人達はスパイ容疑をかけられたのは皮肉な出来事でした。
3.現在日本の殆どのテレビ局では世界の辺境地でも活躍する、又は現地に溶け込んで生活している日本人や、来日した外国人との交流をテーマにする番組を放送しています。日本人の勤勉さ、伝統を守りながら進んだ技術や文化を育んでいる情況、更には、すっかり有名になった日本流「おもてなし」に、殆どの外国人が感銘を受けています。私が時にはボランティアで参加する国際交流の場で接する外国人も同様です。日中間でも同様ですが政治的対立が阻害要因になっているだけです。
4.1972年9月の国交正常化前には、中国に行く日本人は僅かでしたが、我々日本人は国賓待遇を受けており、その後も今に至るまで日本とは仲良く交流したいのが
中国人の夢の一つであり、今後も変わらないでしょう。力に頼り策略をめぐらす一部の中国人とは区別して見てゆきましょう。
以上
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