最近の日中関係は、新聞雑誌やネットを見ると、不毛な非難合戦が多く(日韓ではより多い)、日中友好が叫ばれた時代とは隔世の感がある。何故そうなってしまうのか、より深くその根源を理解し交流していく必要を痛感します。中国(韓国)以外はアジア諸国だけでなく、世界的にも殆どの国々が親日的であるので、中韓両国とは付き合わない方が良いとの意見もあるが、最も近く文化的にも歴史的にも深い関係にあり、無視していこうとするのは個人的には勝手だが、主流にはなり得ないと受け止めるべきでしょう。
 虚実に拘わらず何かと「歴史認識」を持ち出す両国の“人々”、何故でしょうか?韓国以上に長く50年も日本領に組み込まれていた台湾の人々が大変親日的であること、同様に南洋諸島の人々が今なお、日本語を記憶していてカメラの前で嬉しそうに披露する姿もテレビでご覧になった方々も多いでしょう。従い中韓だけが何かおかしいと思う日本人が多いのも理解できますが、世界的に見れば日本は中韓以上に特異な存在であると理解するのも左程困難ではないでしょう。例えば:
1. 日本列島は石器・縄文時代が2-3万年も続いたが、大陸や半島からの移民(帰化人等)がBC5世紀からAD8世紀に1000年以上の期間渡来して、弥生時代を構築し更に日本の古代文明に多大な影響を与えた。こんな国は日本以外にはない。
2. 幾多の抗争を経て4世紀には、大王が誕生、王朝が成立しそれが天皇制となり、連綿と1600年以上も続いている。武力や権力を放棄し、武家政権時代でも天皇は最高権威者として存続、国の統一維持に貢献してきた。そんな国は日本以外にない。
3. 近代に至りいち早く欧米の近代文明を精力的に吸収し、和魂洋才と言われるように、かなりの分野で欧米文明レベルを上わまった国が他にあるだろうか?
4. 近代以降租界地を作る等中国各地で支配体制を構築した列強諸国の中で、古代文明では中国を師匠として多くを学んできた国は日本だけである。
5. 戦後約70年間、如何なる国とも干戈を交えず(戦争をせず)、一人の外国兵も殺害しなかった国は、主要国の中では日本以外にはないでしょう。
6. とかく中国では日本は男尊女卑の社会と見られがちだが、家庭の財政権を握っているのは、日本の社会ではほとんど主婦であるがこの様な情況も日本だけでしょう。

 日本人は全体的教育レベルも高く、自由な国際交流も盛んであり、情報制限もない為、上記の如く世界の多くの国々と較べて、とりわけ中国との関係に於いて特殊な存在であるにも拘わらず、日本に生まれ育っていると、なんとなく自分達の常識が世界で通用すると思い込んでいないだろうか?
元商社マンとして世界各国と交流してきた私には、中国や韓国類似の国は結構多く、日本の方が遥かに特異な国に見えます。世界の多くの国々は分裂統合、侵略被侵略を繰り返してきているのは周知の事実です。特に戦後の日本は“羹に懲りてナマスを吹く”状態にあり、あまりにもナイーブな国柄になっていると言えないでしょうか。
 次回より、あまり重視されない周知の日本や世界の状況を踏まえながら、中国(時には韓国も)理解を深め、どう付き合っていくべきか経験談を含め紹介しましょう。
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