中国進出-中国を知るS.(55):最近の日中関係を憂慮する(その一)
歴史認識問題に加え尖閣諸島問題等で日中関係は、ギクシャクした関係になっているが、多くの人々は長期に亘り改善が困難と見ておられるのではなかろうか?その通りと思うが、更に韓国を含め中韓両国のみが最近の日本を右傾化とか軍国主義復活云々と非難しているが、普通の日本人には理解不能ではなかろうか?戦前日本が多大な損害を与えた東南アジア諸国は、今では全て親日的であり、中韓両国も国交関係正常化以降暫くの間は友好的であったことや日本が北朝鮮の如く軍事優先の国に変身した訳でもないことを考慮すると、やはり多くの日本人には理解不能でしょう。日本の多くの新聞雑誌は日中問題を報道し或いは論じているが、いずれも洞察不足と思えてならない。
韓国の朴大統領が「日本には千年の恨みがある」と言ったことがあるが、これは日韓関係だけでなく日中関係を考察する時の、一つの重要なポイントを突いていると思う。
この言葉は大多数の日本人には三百代言と聞こえようが、韓国の多くの知識人には得心の行く言葉と受け止められたであろう。此処に日中関係や日韓関係が他の東南アジア等の人々の認識と根本的に異なる原因があることに気付いて頂きたいと思う。日本との歴史的関係にあまり関心のない多くの中国人や韓国人は、潜在的には親日的であると私自身の体験を含めて信じているが、残念ながら対日関係への世論操作に影響力のある政治家やマスコミ関係者の観点は別なところにある。両国は戦前の日本が米・英両国を「鬼畜米英」と呼んだ時代に近い状況にあるとも言えよう。
韓国と中国が他の諸国と全く異なる対日感を持つのは、当然ながら理由があるが誰もその理由を言わない。韓国が中国以上に強い対日嫌悪感や対抗意識を持つのもやはり明確な理由がある。その理由は幾つかあるが、歴史的な国柄も関係し、過去の日本との関係だけではない。日本の国柄を言えば天皇制が1,500年以上も連綿と続き、国家分裂も経験がなく、国境も一時的、部分的な変更以外なかったが、中国と韓国は西欧諸国同様領土(版図)、国家分裂、王朝等幾多の変遷があった。更に古代には日本に多くの文化を伝授し、本来日本文化の師であり、父母であり兄姉であるとの潜在意識を有している。更に長幼の序を重んずる儒教の影響を今なお色濃く残している。中国では史上長年科挙制度が採用され、最近では世界各国にまで孔子学院を設立し、普及させようとしており、韓国では長年両班制度が保持され、現代の日常生活の中にも「長幼の序」が保持されていると言われる。
一方現代の日本では中韓両国と較べ、家族や一族間内の関係や「長幼の序」には淡白になっているが、見知らぬ人々への思いやりや気遣いでは中韓両国より遥かに行き届いているのではなかろうか。これは悠久の長い歴史上、日本がやや閉鎖的な島国であった為、有限の世界に生きる者同士として他人に対しても、強い関心を持ち生活する習慣が根付いたものと思われる。従い国際的な交流や相互規制がもっと進んで来ると、日本の歴史的体験からの各種規範や風俗習慣は世界的なものになっていくであろう。
「敵を知り己を知れば百戦危うからず」とも言うので、次回以降更に紹介しましょう。
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