他国と付き合うには、相手の顔色を伺うのを「慎重に」等と言いながら結局は迎合していたりすること、又は相手の欠点ばかりあげつらっていたりすること、いずれも誤りでしょう。相手をよく理解し正当に評価した上で、良い点には敬意を表し時には褒め称えることも必要です。特に中国から伝えられた儒教精神等は高いモラルを示しており、その発祥国の人々には、それ相応のレベルを要求しても然るべきと思います。私はそれを便宜的に“褒め殺し”と表現し、実行して来たことは既に何度か紹介した通りです。
 今日は中国人にとっては耳の痛い「物まね大国」とか「パクリ問題」を提起しましょう。「耳の痛い」と言いましたが、正真正銘の中国人にとっては耳の痛い問題と言うことです。そうでない中国人の考え方を紹介すると、「古代の日本人はほとんど中華文明を真似したではないか、明治以降でも欧米文化を真似したではないか、相対的に遅れた国が先進国の真似をすることは必要且つ認められるべきで、非難されることではない」と心中是認していることです。下記二点はよく理解する様求めて当然でしょう。
① 古代に遣隋使や遣唐使、更には留学僧等を派遣して、当時先進的であった文物を日本に導入したのは事実ですが、無断導入ではなく当時の中国側から供与されたものと言うことです。
② 時代と共に国際的なルールが生まれ、増加しており、現代では「知的所有権」(知識産権)に関するルールは中国でも認める時代になっている。従い、少なくとも国際的なルールは、其の効力がある時点では厳守せねばならないと言うことです。

  誇り高い中国人なら、当然上記の二点は認めると信じています。そうでない人達は
仮に人数が多くても、中国人とは認めないと言う態度を採るべきです。更に③として言うと、中国ではマネの程度や学習の程度が低レベルの事例が多いと言うことも指摘されるべきでしょう。私は工場の幹部や作業者に対してよく次の如く指摘して、「日本人が出来ることは中国人にも出来る、日本人に負けるな」と叱咤激励したものです。即ち:
③ 古代文明で日本が中国から学んだことは、単なる真似ではない。よりレベルを高くしたものが多い。例えるなら工場で、仕上げ加工類似の状態から正真正銘の仕上げ加工(精加工)にしたのである。例えば千年以上も前に創建された五重塔等は何度も地震に遭遇したが、倒壊したことはない。仏像の加工度や美術性の高さ、七宝焼きの緻密さ、唐服から発展した日本女性の和服のデザインや刺繍のレベル等々幾らでも事例はある。

現代では、中国側が日本や欧米から学ぶ事項が多くなっているが、上記の③の如く、
「オリジナルのものより素晴らしいと言われる位にガンバレ!」と声援を送ってもいいでしょう。日本人程の緻密さや根気のない人達が多く、容易ではありませんが!

 「和魂漢才」(古代、漢は中国のこと)とか、明治維新以降では「和魂洋才」とか
日本では言われたことがあるが、「華魂和才」とか「華魂洋才」との言葉が生まれ定着することを期待したいものである。

 13日より中国旅行に出かけますので、次のブログ投稿は5月からになります。

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   柳沢経歴 http://www.nakatsu-bc.co.jp/komon/komon-2.html
       http://www.consultanto-blog.com/yanagizawa/
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