中国進出-中国人幹部社員教育シリーズ(33 ):挨拶を習慣化しよう
教育シリーズは暫く中断していましたが、特段の意図はありません。重要なテーマは略一巡したかなと思えたからです。ご一覧頂いた皆さんから要求や質問があると、次のテーマの参考になります。よろしくお願い致します。
今回のテーマは挨拶です。昔の中国ではモラルやマナーは素晴らしい状況だったことは、何度か紹介しましたが、この2-30年来社会的風潮が金銭第一主義になってしまい、挨拶することも軽視されている様です。尤も昔私等日本の駐在商社員の社会では、「上の顔は笑顔で握手するのが、中国の担当者(実際は中央官僚)との挨拶だが、下の足ではお互い蹴っ飛ばし合っている」とのジョークを言い合ったものです。これは商談では、喧嘩寸前かと思われる程激論する側面もあったことを示しています。尚商談では感情的になった方が、大体負けでした。
現在日系企業では、挨拶など日常のマナーはしっかり躾をされているかと思いますが、中には中途半端になっている向きもあるかも知れません。そこで:
1、 先ずは日本人が率先垂範し、若い入社早々の社員にも笑顔で挨拶し、或いは会釈をしましょう。次に幹部社員にも率先する様要求し、時には実施状況を点検し報告させることも必要です。「挨拶や会釈は、相手の存在を認め、尊重する第一歩」ですが、ルーズな連中には、挨拶は平凡なことではあるが、深遠な意味合いがあることも説明する必要があるかも知れません。
2、 念の為記しますと:
朝夕の挨拶や外出・帰社時の挨拶の他、廊下、エレベーター、工場内通路等ですれ違った時の会釈を励行するよう、幹部社員に要求するだけでなく、必要に応じ朝礼等で時々強調しましょう。
3、 類似の初歩的な事項として、手洗いの不十分な職場も結構あるものです。見るからに汚れが分かる職場では励行されていると思われますが、意外にも事務職等見た目では汚れのない職場では、トイレに行っても手を洗わず、又手を洗わずに昼時食堂に駆け込む社員もいるものです。ハンカチを携帯しない人も結構います。
4、 一方社内会議などでよく遅れて来る幹部がいます。言い訳だけは上手ですが、原則5分前集合とし、万一突発事項発生で遅れる場合は事前連絡か、それが無理な場合は部下を通じて遅滞なく、連絡するようルール化しておきましょう。
5、 時には「日本人は神経質で、細かい事柄にこだわり過ぎる」との、影の声が聞こえることもあるでしょう。朝礼等利用して、「全てとは言わないが、日本製品は品質が良いとの評価を確立するのに、長年間努力を積み重ねてきた。昔日本製品はアメリカ市場では“安かろう悪かろう”と言われた時代もある。アメリカ向け輸出の、一ドルブラウスがその事例として大々的に報道されたこともある。今では日本人の生産工程は“精工程”であり、精密・正確であることは、既に習慣化した。」程度のことは話されても良いでしょう。更に以前「品質作りこみ作業者」として、紹介した中国の両面刺繍や玉器工場での事例を引合いに出せば、普通の中国人職工さん達の状況であり、より効果的でしょう。
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柳沢経歴 http://www.nakatsu-bc.co.jp/komon/komon-2.html
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