以前中国でのモラルやマナーは日本より良かった、と記しました。1978年末鄧小平の提唱により改革開放政策に国策を変更して以来、経済面では大幅な成長改善が達成されたが、それに反比例するが如く多くの中国人のモラルやマナーは低下してしまいました。
 新年を迎え、続いて2月10日には春節(旧正月)を迎えますが、宴会に招かれたり主要な顧客などを招いて宴会を開いたりする機会が多くなると思われます。
準備作業や司会進行係等中国人幹部社員に担当させる場合が多いかと思いますが、彼等が正しく理解しているとは限らないので、経験上若干要領を紹介しましょう。年配のその道に通じた方を招いて教えを乞うとか、マナー本で学ぶのも良いでしょう。さすが日系企業はマナーレベルが高いとの評価を得たいものです。
1、 主催する場合、宴会場に早目に行き現場を点検すると共に、遅くも10分前にはレストラン入り口(単独の建屋の場合)や会場のあるホテル、集合ビル等の入り口で招待客に挨拶し誘導すること。
2、 席順の決め方:部屋の奥(日本でいう床の間を背にした位置)にはホスト役が座り、その対面にはサブホストが座ります。ホストの右手側には主賓、サブホストの右手側には次席賓客、ホストの左手側には3番目の客、サブホストの左手側には4番目の客の席とします。人的関係に特別な事情がある場合ホストの右、左に主賓、次席客として、サブホストの右、左に3、4番目と座らせても良い。通訳がいる場合、その席は話し手の隣とすること。その他の方々は主客交互を原則として、親しい関係者をなるべく隣接させること。
3、 大きな宴会でテーブルが沢山ある場合、代表者のスピーチ台(又は舞台)手前が第一テーブルとし、その左側(入り口側より向かって)を第2テーブル、右側を第3テーブルとする。第1テーブル手前が第4テーブル、其の左が第5、右が第6、第7テーブルは第2の左側、第8は第3の右、第9は第4の手前として、以下同様とする。図示して見れば、第1テーブル中心に徐々に離れる配置であることが分かろう。
4、 ホストの挨拶は、なるべく簡潔であること以外、特別な注意は不要。但し、客側のお礼の挨拶は日本式にホストの挨拶に続いて行うのは、マナー違反です。宴会の終了間際の果物や点心が出てきた時がタイミングです(その前は大体魚料理が出る。「有魚=有余=利益があがる」との寓意)。ホストが、「用餐吧!」と料理に箸を付ける様促す発言をすると共に、以前は左右の客人に料理を取分ける仕草をしましたが、これは省略しても良い。された場合は「自己来!」と言って、断った上で、自分で料理を取れば良い。
5、 中国では食べられない骨等を、皿に残してはいけないとのルールがあるので、テーブル上等に置くが、空の皿を貰ってそれに入れるのがスマート。以前も記したが、「xxxの為に乾杯」と言わずに無言での手酌はご法度と心得るべし。主客両方に中国人の多い宴会では、宴会の席上ではお礼や称賛の美辞麗句を連発しておきながら、宴会が終わると相手側に対する陰口を、罵詈雑言で以て言う場合が結構あるが、これだけは雰囲気にのまれて同調しないよう留意したいものである。


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   柳沢経歴 http://www.nakatsu-bc.co.jp/komon/komon-2.html
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