今日のテーマは、中国に赴任又は出張して、中国滞在期間があまり長くなく、必死に中国事情を理解しようと努力しているが、努力すればするほど中国(中国人)が理解できないとか、毎日ストレスを感じるという方々への一寸した助言です。
1. てっとり早く理解する方法は、誰にでも容易に分かる方法です。それは道路での自動車の運転状況を見ることです。上海や北京ではかなり改善されているが、殆どの都市では「いち早く頭出し」をした方に優先通行権があることに気づくでしょう。日本ならより大きな道路を通行している車が優先、右折(左折)と直進では直進優先、左折と右折では左折優先(右側通行の中国では逆になるが)のはずですが、実際はそうとはならない。勿論大きな通りで、信号により左折や右折を含めて細かく表示される場合は、ほぼ信号通りに車は通行しているのを目にするでしょう。30年近く前自動車時代の到来を予測して中国政府は各国の道路交通法や実情視察を含めて、十分に研究調査して道交法を作りました。
2. それにも拘わらずどうしてこうなるのでしょうか?中国の多くの運転手は、「もたもたしている車の運転状況まで考慮するとかえって危険であり、交通渋滞を招く」と考えます。更に、自動車が役人など特権階級のみが使用していた時代の名残で、歩行者や自転車利用者より車優先との習慣が抜け切れていません。
3. 赤信号に対して最近では、車は殆ど停車するようになりましたが、歩行者や自転車利用者は必ずしも、順守していません。以前日本の新聞紙上にフランス人が、「日本人は不可解な民族だ、車も来ないのに信号が赤だからとして、道路を横断しようとしない」との、揶揄したコラム記事を見たことがあります。日本の法令順守の徹底ぶりは、世界的に見てむしろ特筆されるものなのかも知れません。

以上の事例は、その他の多くの法令順守の度合いも類似していると言えそうです。法治主義ではなく人治主義と言われる所以でしょう。いちいち腹を立てても仕方がありません。「郷に入っては郷に従え」の例え通り、中国での生活では多少は融通をきかせる必要があるでしょう。
毒されてしまうのも問題ですが、お役所の許認可にはある程度の“手土産”が必要なことは、日本での年末のお歳暮や夏のお中元同様と思えば「腹立ちも」多少は、治まるのではないでしょうか?「水清くして魚住まず」とも言いますので、日本人としての誇りを忘れず、一方では現地状況をある程度は受け入れる度量も持つ必要があるでしょう。
 そうすることにより、心の平安は取り戻せるのではないでしょうか?尤も本社の理解を得るのに苦労することも時にはありますが!

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   柳沢経歴 http://www.nakatsu-bc.co.jp/komon/komon-2.html
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