1.以前にも述べましたが、中国人の特質は陽気で、色は原色を好み、民謡など伝統的な歌舞音曲も賑やかな、長調で軽快なものが多く、自己主張が強い点と併せ考えると アメリカ人との共通点が多く見られます。大陸的、乾燥地帯が多く多民族である特質を現していると思う。日本の民謡や歌謡曲にも軽快且賑やかなのもありますが、叙情的のものや短調のものが多いのではなかろうか。降雨が多く湿度も高く、民族的多様性も少ない「土地柄」が影響しており、朝鮮半島との類似性が見られます。面白いことに日本から遥かに 離れたチベットの歌や踊りは日本と類似しており、ゆったりした曲が多く、踊りもあまり激しく飛んだり跳ねたりはせず、日本の盆踊り類似の踊りが多くあります。平均海抜が4千メートルもある為でしょうか?文革中はチベット民謡やウイグル民謡に“革命的”歌詞を貼り付けた歌を唄い、みんなでよく踊りをしました。ウイグル族や中央アジアの歌舞はリズミカルで激しく飛んだり跳ねたりするものが多く、これも「土地柄」でしょう。
2.プライバシー(隠私権)と他人への思いやり:前回来日研修生より「日本人は見知らぬ人たちに冷淡だ」と言われた話を紹介しましたが、これにはもう少し説明が必要でしょう。多くの中国人にはプライバシーとか人権意識はありません。「隠私権」と言う言葉が使われるようになったのも最近のことです。少し親しくなると給与は幾ら貰っているかとか、 夫婦間のことも平気で聞き出そうとします。最近までは公園のトイレも男女共に仕切りがなかったり、あってもドアが付いておらず、皆さんも使用するのをためらったりしたでしょう。プライバシーが家庭内にまで確立している日本と中国には大きな差があり、 この点日本は欧米などと共通と言えるでしょう。以前石家荘に列車で出張した時、駅前の通りに交通安全を呼びかける大きな看板があり、そこには実に生々しく内臓が飛び出している写真まで貼られておりびっくりしましたが、それを見る中国人を観察すると、眉をしかめる様な人は見当たりませんでした。
3.助け合い・協力精神はやはり、日本の方がずっと上でしょう。東日本大地震への
見舞いや援助額は第一位が台湾、次がアメリカ、韓国と続き、その次が中国だったとのことです。自力更生が強調されていた時代の、1976年7月28日発生の唐山大地震では、中国は何処からも見舞いや援助は受けないと表明し、驚いたものでした(当時北京駐在中だったが、北京でも多数の死者発生、居留外国人への万全の対応や一般大衆の対応等後日報告します)。困っている人や国に手を差し伸べるのは当然だの考えは中国にも定着しているが、先の東日本大地震では、残念ながら親日度では台湾には及ばないということでしょう。一方「故郷に錦を飾る」と言うのは、中国では言葉だけでなく、実施されるものと 受け止められています。企業活動は地域貢献もすべし、と言うのも一般的であり、多くの日系企業はそれ相応の対応をされていると見られます。
常識問題は、もう一回続けます
柳沢経歴 http://www.nakatsu-bc.co.jp/komon/komon-2.html
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