「PDCAや5W1H」に就いては、各種の参考書が出版されており、 又中国に於ける多くの日系企業が社員教育の中で強調されているが、なかなか徹底していないのではなかろうか。
  5W1H即ちWhen Where Who What Why及びHow(何時 何処で 誰が 何を何故及び如何に)のことで、問題発生時の点検、報告、検討、対策での基本的要素であり、
中国人幹部社員はほとんど承知のことと思う。然し、実行程度となるとかなり疑わしいのではなかろうか。体験談から言えば、あまり高邁な要求はせずに、夫々実情に合わせて
簡単な書式を作って置き、最低限これ等の要素は記入させるのが効果的です。そうでないと、日本人ほどは緻密でない多くの中国人幹部は、「漏れ」があっても、あっさりとしていて、「済みません、うっかりしていました」で済ませてしまう。後からお説教しても
「後の祭り」です。過大な要求しない代わりに「洩れ防止」が重要な第一歩です。
  Plan→Do→Check→Action即ち計画→実行→点検→対処し計画の見直しし、更にこのPDCAをぐるぐる回していく訳ですが、とかく「言い訳上手」な彼等ですが、「言い訳」を抑えてはなりません。途中で「言い訳」をさえぎって、「お説教や指導」に移ってしまうと、  日本人経営者や指導員の自己満足に終わってしまい、彼等にも不満が残るだけであまり効果は期待できないでしょう。先ず存分に「言い訳」を言わせることです。その「言い訳」に合理的な面があれば採用すれば良いでしょう。
 然し多くの場合、自分や自分の部下の問題にはせず、誰かのせいにするでしょう。存分に言わせた上で、上述5W1Hの観点から、重要な漏れがないかどうか、責任転嫁をしていないか見極めることが大切です。横の連携、協力不十分な場合が多いので、その様な場合は関係者間で一種の契約書を作成し、関係者間で責任範囲を明確化する必要があります。日本的に当然のこととして 協力せよとして、協力関係の良化にはあまり期待しないことが肝要です。

 話は替わりますが、シンガポール人の大部分は華僑の末裔であり、中国大陸の人々と血統的には同じですが、中国人から「シンガポール籍の華人」と見られるのを嫌い、我々は「シンガポール人」だとの誇りが強いそうです。それは、モラルレベルが世界的にトップクラスに位置し、街も清潔で、文化レベルも高いからだと言うことです。そのシンガポールも昔からそうだった訳ではありません。1959年より英国帰りのリー・クアンユーが不退転の決意で、大小様々な法律や条令を設けて、断固として実行してきた帰結なのです。「周囲への目配り」、「周囲を気にする」、「恥の文化」を有し、世界的には稀な存在である我々、日本人の心情を抑えて対処する必要があります。リー・クアンユーに大いに学びましょう。
柳沢経歴 http://www.nakatsu-bc.co.jp/komon/komon-2.html
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