中国進出―中国人幹部社員教育シリーズ(11):派閥への対処
日本でも会社規模が、ある程度以上になると派閥が生まれ易くなります。
中国ではより一層生まれ易い土壌があると言えます。狭い日本、広大な中国、どんなところに居ても、200km足らずで海に到達してしまう日本、海までの距離が平均しても1000km以上の中国、この様な土地柄から日本では、見知らぬ人達にも留意し、気遣いし、思い遣る心も自然に湧いてくるが、逆に回りに対して一切気遣いしないと、「村八分」される恐れもある訳です。「村八分」の意味を中国人に説明しても、「頭で分っても、気持ちでは分らない」状態になります。あくまで、自己中心的であり、次には一族郎党、友人、同窓生、同郷人が大切なのが中国人です。従い、企業内での派閥発生は、極自然であり、その存在を感じても解消させよう等とは考えないことが肝要です。かえって、“陰に籠もり”逆効果になるでしょう。意図的に無視したり、意図的に認めたりせず自然体で対応するのが良いのです。
☆ 会議等で自派の幹部の発言には、賛同、支持する様な発言があっても、そ知らぬ顔で、対抗してる 派閥の意見も聞くべきです。
☆ トップの新たな提案や勧告に対して、よく理解されていない段階でいち早く、賛同する様な意見が出てきたら、その幹部は要警戒です。総方針では確固として遵守しながらも、各論では繰り返し質問し、更に独自の意見を出す幹部こそ重視すべきです。
☆ 更に言えば、いい意味で競争させることです。偶然、一つの派閥のみの集りになった場合、「君達を信じ、期待している」と言ったら良いでしょう。どの派閥にも同様に言うべきで、トップが差別してはなりません。夫々のグループが「真に注目、重視されているのは我々だ」と思わせておく事です。
結果的には、公明正大であるべきで、“イエスマン”に良い思いをさせては、なりません。さもないと、特定 グループのみ肥大化し、総合力は発揮されないでしょう。
☆ 脱落しそうなグループにもケアする必要があります。それとなく「期待していたのに、xxxの為、こう言う結果になった。残念至極である。」と言うべきでしょう。
この幹部社員教育シリーズは、もう暫く気づいた事柄を追記し、その後誰でも知っている基礎的な事柄を取上げ、皆さんの日常の点検作業のご参考に供したく。
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柳沢経歴 http://www.nakatsu-bc.co.jp/komon/komon-2.html
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