私の「幹部教育の要諦」第7項は、<積極性の養成:挑戦による失敗を責めず、不作為の無性化や敗北を責めよう(スーパーの国営、民営、外国系の繁盛振りや店員の勤務状態に歴然たる差がある)。と記しました。
此処で、積極性を特に強調したのは、個人経営の場合を除いて、殆どの中国人の仕事に対する態度の大きな欠陥は、積極性の不足です。前の第6項とも類似していますが、むしろ日本国内での仕事に対する官民の差を想起されれば、分り易いでしょう。官(お役所)の仕事は、上からの指示を極力忠実に実行しようとするが、指示されていない事項にも、創意工夫して対処する姿勢が弱く、年度末にはなるべく予算を使い切ろうとすることは広く知られています。中国で一番分り易いのは、誰の目にも見えるので、スーパーマーケットの従業員の仕事に対する態度です。国営や多くの大型民営スーパーでは、従業員がやたら多く、従業員同士でお喋りをしていたり、腕を組んで柱等に寄りかかっていたりしているのを、各地の都市で見ました。外資系では従業員も少なく、通り掛かりの客にも声をかけたり、商品の乱れを調整したりしている情況は、皆さんも目撃しているはずです。
 この様な差はどうして生じるのでしょう。業務指導と評価制度に問題がありますが、ポイントは積極性の奨励です。その場合、積極性を発揮しようとして、失敗した時、責めてはなりません。責め立てれば、誰も積極性を発揮しなくなるでしょう。
当然、失敗した場合はその原因究明に共に対処してやることが大切です。「お前等の考え等たいしたことがないから、言われた通りやればいいんだ!」と言う様な、対処方法は 最悪です。然しながら、相当なコスト(人手)がかかるとか、危険が伴う方法への挑戦には、事前報告相談を義務付けるのは当然です。
 更に、創意工夫賞とかコスト低減賞等、各種表彰制度を取り入れ、公平且定期的に  実行しましょう。情況によっては、積極性を引き出す為、参加賞も設けて僅かでも金銭を与えるのも良いでしょう

柳沢経歴 http://www.nakatsu-bc.co.jp/komon/komon-2.html
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