有史以来交流のある中国だが、日本との相違点は予想以上に多い。何故だろうか?
 家庭教育で多くの中国人の親達は、子供に対して「何が言いたいの?言いたいことは、もっとはっきりと言いなさい!友達等分ってくれない時には何度でも言いなさい!」と指導しているとのことです。「人様に迷惑かけてはだめですよ!後ろ指を差される様な言動は慎みなさい!」と言うように、指導する日本の家庭とは大いに異なります。中国人にとっては先ず、自己主張ありきでむしろアメリカ人に類似しているかも知れません。周囲を気にしつつ発言する日本人とは大違いです。面白いことに政治、特に外交関係でも類似の情況が見られます。
 私の中国との50年に及ぶ交流の中から、代表的事例を紹介しましょう:
☆ 中国人の協調性を高揚する為、中国版新幹線を一律「和諧号」と命名し全ての客車の先頭に「和諧号」と大書したが、誰もそうは呼ばず「高鉄」即ち高速鉄道列車と呼んでいる。協調性を求められるのが嫌なのかも知れません。
☆ 以前よく聞いたのですが、「一対一なら中国人は日本人に負けないが二対二では危うい。三対三以上では全く歯が立たない」国全体のGDPが日本より遥かに小さかった時代の話です。
☆ 自己中心主義の中国人が圧倒的に多い状況は、車両の通行状況を観察するとよく分かります。法令的には大通り優先、直進優先のはずですが、いち早く首を出した方が優先となっています。譲り合いの状況に遭遇した時などは、感激して感謝の声を上げるほどです(大連には何時でも他人の車に先を譲るタクシー運転手がいて、感激したものでした)
☆ 中国人の9割以上は漢民族との統計ですが、他の少数民族の分類方法とは異なる様です。人類学的には広東や福建の人達は、むしろベトナムやミャンマー等東南アジアの人達に類似しています。平均身長も日本人より低いでしょう。
一方山東人や東北人(特にハルピン人)は顔付きも、南方とは異なり、平均身長は日本人よりかなり高いです。喧嘩の仕方も、南方は「先ず殴る」、華中地帯では「口論から殴り合いになる」、華北では「どんなに口論しても殴り合いにはならない」と言うそうです。その様な傾向はあるな、と言うのが実感です。従い、漢民族と言うのは欧州民族と言うが如し、と理解した方が良さそうです。方言しか知らない人同士では、上海人と広東人では意思が通じないでしょう。この様な状況は他地域同士でもあります。
☆ 「彼は四川人だが、俺は山東人だ」と言うような紹介を受けたことは何度もあり、更に中国人同士「何人」か、紹介し合う情況を何度も見ました。中国は天下であり、初対面同士は「お国」紹介もする訳です。
 次回更に続けます。


  柳沢経歴 http://www.nakatsu-bc.co.jp/komon/komon-2.html
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