当ブログの最初に記した「幹部教育の要諦」第2項では、<仕事効率(生産性)
 の倍増を目指し、給与や待遇を同業者の2-3割アップを目指す。節約や
「もったいない」精神は、元々中国が本場だった。>と記していますが: 
 1.職場会議等で中国人作業員に生産性を2倍にしたいと言うと、先ず間違いなく
「無理です。今でも精一杯やっている」と言う。日本での事例を紹介して、やる気を  起させようとすると「日本人の給与は我々の5倍以上ではないか?我々は日本人ほど  ではないが、生産性が5分の1以下と言うことはない」と反論して来ることもある。
  これは、彼等がまだまだ生産性を向上させ得る余地があることを認めている証拠で
あり、前途有望と受け止めた。中国人社員教育には、左程特殊でない中国での事例を  紹介、利用するのが効果的だが、この場合にはそうはいかない。そこで私自身の経験を 紹介した。即ち、「1961年大学を卒業して入社した貿易商社の初任給は15,500円  (理工系の)と文科系より500円高かったが、アメリカの初任給の10分の1以下だった。当時東京で居候させて頂いたアメリカ人高級技師の月給は50万円余でマンションの   家賃や専用の乗用車(運転手付き)の費用は、彼を招聘した日本の会社が負担していたが、私は不満に思ったことはない。ほとんどの日本人はこの様にアメリカ人との経済  格差は大きいことを知っていたが、生まれ育った国情の相違に由来するのであり、刻苦 奮闘、継続していけば必ず追いつけると信じて努力してきた。又現在の日本の物価は  自動車の如く中国と大差ないのもあるが、食品等多くの日常生活に不可欠な物資の価格は中国の5倍から10倍であり、一面的な比較は正しくない」と説得に努めてきた。大体は 不承不承ながら彼等は納得した。
 2.具体的な「効率2倍増計画」には、原材料から最終製品になるまでに保管、流通 を含めると10段階(工程)以上になるので、単位工程で5%乃至10%のロスを防ぎ、  又はスピードアップすれば必ず倍増すると指導した。期末の棚卸等では10%程度の誤差 には無頓着なこともあり、製造の各工程での無駄も沢山ある実情は以前より改善された とは言え、相変わらずではなかろうか?作業方法も日本人の目から見れば、休み休みの 仕事に見えることも多く、むしろ仕事は集中継続してやった方が疲れないことも「趣味 への集中時」の事例等で教育した。無駄の排除では3-40年前の貧しい時代では、あらゆる物資が欠如していて、販売促進の為開催された中国での展覧会出品に際しては、ネジ  くぎ・テープに至るまで何でも持参したが、残余品を大切に扱う中国人スタッフの行動に感銘を受けたこともあり、当時の「もったいない」精神の実情は、是非とも祖父母等  高齢者が健在な内に聴取して置けとも指導した。
今日は此処まで! 皆さんが良い新年を迎えられますようお祈り致します。

柳沢経歴 http://www.nakatsu-bc.co.jp/komon/komon-2.html
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