2024-7-17中国進出ー中国を知る(242)基本的なこと
体調不良の為暫く投稿をしませんでしたが、若干読みかえしてみると、ほとんど必要と思われることは今までに述べていると思われます。只、日本のみならず欧米諸国の中国問題に関する指摘や批判は相変わらず、自分たちの社会通念や法令に基づいており、中国に対してほとんどインパクトを与えていないなと思われます。不足している基本的なことを改めて指摘してみたいと思います。
1.「法律や国際的条約を遵守せよ」との主張:中国には中国の憲法と各種の法令があり、中国は当然なながらそれらを遵守していますが、中国の法令の根拠が共産主義専制となっている為、判断基準が逆になってしまい、中国の国内的には欧米諸国が強く批判するほど、「我々は正しいのだ」となってしまいます。例えばウイグル族やチベット族への弾圧も、彼らに言わせれば「解放」であり、「教導」であるとなってしまいます。私が初めて北京駐在したころの中国では、はた目にも少数民族の風俗習慣を尊重していました。よく利用した民族飯店の東隣には民族文化宮と言う多目的博物館がありましたが、「解放前のチベットはひどかった。こんなに一般大衆が抑圧されていた」として、種々具体例を展示していました。人の骨で作られた横笛迄あり「昔のチベットはこんなにひどかった」と例示して居たわけです。この様な中国自身が自慢していた具体的事例でもって批判すれば、中国も反論できないと思います。
2.台湾問題でも中国は「核心中の核心問題」であるとして、台湾領域を併合し支配下に入れることは絶対に譲れないことで、必要なら軍事力の使用も辞さないと何度も宣言していますが、「元々中国は人民大衆の平安無事こそ大切」として来たのではないか?!台湾は有史以来一度も中国共産党やその政権に支配されたことはなく、台湾の人々にとって一番大切なことは台湾の平安無事であることは子供でも分かることだと言うべきでしょう。
3.中国は最近南シナ海のフィリッピンやベトナム海域に進出し、盛土をして軍事基地迄作ってしまった。更に中国の支配海域を広げようとする活動も明白になってきているが、これに対して日本政府もマスコミも1972年9月日中国交正常化交渉の折に、日中両国は覇権主義にはならず、諸外国の覇権主義にも反対すると確約したではないかと、何故指摘しないのか不思議でならない。中国も確約した事柄は中国としても否定し難いはずであります。
尚、「権力は腐敗し易く、絶対的権力は絶対に腐敗する」と言うのは、歴史的に証明されたことです。政治の世界のみならず、各種事業や宗教活動にも言えることであることにも重々思いを致すべきでしょう。