日本での中国や韓国に関する報道は、相変わらず日本での価値観に基づいている為、真実が見え難いものになっていると言わざるを得ません。「古人曰く、敵を知り己を知れば百戦危うからず」は、古今東西で通用するものだが、戦争に限らず外交(人付き合い)でも通用することを肝に銘ずるべきでしょう。例えばどんな主義主張でも自由に表明出来、政党として活動することが許されている日本では、法令でも保障されており、政権与党を批判してもそれが、別段反国家的だと見なされることはないので、日本人同士でのやり取りなら全く問題ないが、共産主義を国是とし共産党が国を支配し、国民を指導することが不可欠と憲法にも明記されている中国では(香港を含めて)、法令順守は当然のことであるので、これに対して反対するだけでなく疑問視したり、問題点を指摘するだけで「反国家罪」と見なされることは容易に判るはずであるが、自分達、日本人の価値観に反し、都合が悪い又は不愉快に感ずることは単純に批判する傾向にあるが、それでよいのであろうか?
 それでは如何に報道し、主張すべきでしょうか?まず事実を直視した上で、専制主義を保障する様な憲法を持たざるを得ないことは、人類の歴史上大変遅れた状態であると認識すべきでしょう。かって仕事の関係で交流のあった中国共産党の若手幹部で、優秀な人だなと思われた方が「共産主義体制が遅れていることは分かっているが、若し今の中国で日本の様に自由な意思表明や政治活動を認めたら、中国は乱れていき、分裂状態になるのは避けられないでしょう。現在の法制下でも人々は勝手な振る舞いや、贈収賄や公金横領が横行していることを座視する訳にはいかないんです、と。

 前にも記したことがあるが、中国でスパイ容疑で拘留された日本人は、左翼的で友好人士の場合が多く、私の如く日本人の業界仲間からは右翼と見なされていた人達にはスパイ容疑などかけられなかったことも事情を語っていると言えるでしょう。自分達は日本では左翼と見なされているが、本当の友好人士と思い込み、「変な助言や意見具申」等するからでしょう。歴史上も今も日本にとり好都合だった事柄を提起して、中国側に感謝し褒め上げてやった方が遥かに好ましい対応方法であると、私の経験上からも言えます。

 若干例示しますと、最近中国で和服を着た女性が厳しく批判されたとのニュースがあったが、日本ではチャイナドレスを着用しても誰からも批判されないし、和服は本来古代中国での服装が日本に伝わり徐々に変化してきたものであり、前漢末期の王昭君や唐代の楊貴妃の服装が、チャイナドレスよりも和服に似ているこもテレビドラマ等見ればわかるでしょう。チャイナドレスは本来満州族の旗袍(チーパオ)であり、乗馬し易い様に裾割れがしてあるが、イギリスの上海統治時代に割れ目をより高くされたと言われています。本来中国漢民族の服装ではなかったが、中国人の大らかさから普及定着したものだと指摘して良いでしょう。
 もう一つ例示すると「ラーメン」があります。現代ではすっかり簡便な和食として世界中に周知されるようになったが、本来は中国山西省の拉面(ラーミェン)で、小麦粉を練り上げ左右に伸ばし、それを折るようにして何回も繰り返すと包丁で切らなくても細い面に仕上げることができるわけです。
 北京の山西省レストランに行き、何度も食べたことがあるが、素朴な味わいだった記憶しています。
 ラーメンの本家は中国だとわざわざ主張しないところが、さすが中国の大らかさだと言ってやっていいでしょう。


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