2023-6-29中国進出-中国を知る(233)物足りないマスメディア(11)
最近アメリカ政府要人の訪中の際、中国の習近平国家主席は会談に応じられ、驚くような応対をされたが、あまり大きな反応も批判的報道もなかった。それは会談時の席次配列を「コ」の字型として、自分は会議の議長役でもあるかの如き位置に着席し、米中双方を向かい合わせに着席させたことです。本来議長席は不要で、中国側のトップとして、アメリカ側と向かい合って着席すべきものです。まるで数百年前の封建時代に訪れた外国使節団が皇帝に拝謁するが如き対応となっています。習近平氏は再三偉大なる中国の復活を公言しているが、それは世界経済の3割を占めていたと言われる300年前の乾隆帝時代の如き情況を再現しようと云うことだが、立ち居振る舞いは時代錯誤としか言いようがない。又応対する最初の出会いを人民大会堂のホールの中央に立ち、客人は左から歩いてくるところから、テレビ放送する様になったことも演出の一つと考えているのかも知れない。
中国の時代錯誤的価値観は明確に指摘すべきである。即ち、人類の歴史的発展は専制主義的な法令を持ち、政府首脳を批判したり政権与党に対抗する政党を設立したりする自由な活動を許さないのは、国境を越えた普遍的な真理に反していることを教えている。中国も以前は南アフリカの人種差別であるアパルトヘイトに反対する運動を支持したり、資本主義国での労働者によるストライキを支持したりしたこともあるが、いつの間にか中国のトップは実質的に封建時代の皇帝の如き存在と見なすようになってしまった。
中国の政治動向を自由と民主主義に反するとの批判は多いが、欧米や日本など西側諸国の価値観による批判は、ほとんど効果がない。何故なら西側諸国の価値観による批判は、社会主義国では正しいものであるとの理解に導かれるからである。これは共産主義特有とも言えるもので、日本でも言える。自民党の1/10程度の支持率である日本共産党の自民党など政権与党を批判するとき、あたかも自分達こそ日本国民の総代表であるかの如く、説教じみた高い目線で厳しく批判し、或いはののしることが度々あるからである。効果的なのは、中国も公言していたり、確約したりしていることを、根拠を明示して繰り返し批判することである。例えば、最近の中国は覇権主義的であるが、1972年9月の日中国交回復時、日中両国は覇権主義に反対すると明確に公約したことを繰り返し指摘すべきである。最近は太平洋の西半分はアメリカと二分して管理しようと言う一方で、発展途上国に返済困難になるような借款を与えて、見返りに中国の基地を作ってしまうこと、戦前海洋国家の日本が同時に大陸国家たらんとして、中国各地に租界地を設ける等支配下に置いた過ちは、歴史に学べとして二度と犯すなと言う一方で、大陸国家の中国が同時に海洋国家たらんとしているのは明白で、中国こそ歴史に学んでいないと強く指摘すべきであろう。
更に深刻なのは、日本の領土が狙われていることである。尖閣諸島周辺に毎日の如く艦船を徘徊させた上中国領土として法律まで作ってしまっていること、尖閣諸島には気候観測施設など日本の施設の建設を急ぐべきであろう。沖縄も以前は中国に朝貢しており、中国傘下の土地であったとの論調も出始めているとのことで警戒すべきであろう。又北海道を含めて自衛隊基地近くの土地が中国人や中国系企業により購入される事案が増加傾向にあるとのことであるが、外国系企業や個人が購入する場合、相手国の法令に見合った対応をするよう法令の見直しが必要になろう。
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