青年時代には往々にして“理想主義”にかぶれ、それに心酔して極端に走りがちである。その様な情況をうまく利用しているのが、昔から新興宗教のみならず、共産主義や社会主義をを看板に掲げる政党のようである。以下左翼政党と略称する。

  1. 左翼政党は一見実現したら、一般大衆にとっては素晴らしいと思える政策を盛んに吹聴する。

    即ち民主主義の唯一の欠陥であるポピュリズムを吹聴しており、彼らが民主主義者ではないことを自ら証明しているようなものである。然し一般大衆と言われる人達もそんなにバカではない。例えば目先だけを考えれば消費税等ない方が良い。財源不足がより深刻になるが、大企業や高額所得者からの徴税率を高くしたり、自衛隊を縮小したり、土木建設事業など縮小すれば良いと左翼政党は主張する。昔松下電器を創建した松下幸之助は所得の半分近く徴税され、納税義務の不平等を嘆いたことがある。法律は万人に平等でなければならず、幸之助の主張は正当なものであったであろう。

  2. 一般大衆と言われる日本の人達は、知的レベルが高く、指導階級と自認する左翼政党やその支持者の想定するよりも遥かに高いことを理解できない。理解できないと云うよりも理解することを拒否している。この点正に新興宗教と同じである。昔政治学の教授は民主主義の唯一の欠陥であるポピュリズムの弊害を小さくする方法はあると言った。即ち国民の教育の普及と高度化、更に情報が正確且つ迅速に伝達される社会を実現することである。この2-30年のテレビや新聞報道を観察すると、ニュースを伝える頻度が増加し、伝え方も多様化しており、誤った又は偏向した伝え方をすれば社会的にバッシングされるようになってきており、進歩発展していると言えよう。未だ不十分ではあるが、民主主義がより洗練されつつあり、国民の幸福度ランキングで高い水準を保持している北欧諸国やスイス等では、消費税率が高く、国防問題でも国民の義務レベルが相当高いことも徐々に理解されつつあるのではなかろうか?

  3. 以前このブログでも紹介したことがあるが、寧夏で知り合った若くて優秀な共産党幹部(仕事の

    能力も高くモラルも高かった)は、「中国の民主主義は制限的であることはよく知っている。中国滞在が長い柳沢先生は十分ご承知と思うが、中国人の大多数は日本人の如く、モラルが高くない。政治的に規制の多い現在でも、贈収賄は横行し、少しでも隙があれば自分の利益の為には法律や諸規制を破るのも平気である。日本人の如く自由や民主主義には責任と義務が伴うことが分かるようにならないと、本当の民主主義は導入できないだろう」と言ったが、彼は正しい情勢認識をしているなと心中敬服した次第である。又鄧小平は生前「四つの小龍」に学べと強調したことがあるが、これは香港、台湾、シンガポール及び韓国が独裁政治類似の政治形態を維持しつつ経済発展に注力した後に民主化したことに学べと言ったものである。

  4. 日本共産党の不可解な点は、党内では自由な議論があると云うが、どんな議論がされて党の方針や政策が決められているのか、外部からは伺い知れず、異常に長い党のトップの任期等上層幹部の決められ方も不明である。半ば党のトップを批判することはご法度であるが如きであるが、新興宗教と異なり政党は国民全体に対して責任ある存在であるにも拘わらず、透明性の欠如は、党勢拡大にも不利であることは自明であるが、改善しようとはしない。極めて小さい国民の支持率の範囲内で上下している状況に満足しているのかなと思わざるを得ない。

     

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