2020-3-17 中国進出―中国を知る(192)日中関係はどうなるか?(5)
新型コロナウイルスの感染者が中国では大幅に減少しつつある半面、イタリアやスペイン、イラン等欧州や中東では急増しているとの報道があり、今後アフリカや中南米での状況がどうなるか不透明であり、東京オリンピックも予定通り開催できるかどうか予断が許されない。
日本では強権発動的な非常事態宣言が未発にも拘わらず、韓国などと較べても大量感染者の発生を抑えられているのは、生真面目で緻密な国民性に拠るところが大きいと自負して良いでしょう。前回紹介した民族性と人種問題に就いてもう少し、詳しく紹介しましょう。尚、国民性は文字通り大多数の国民の伝統や習慣、習性を国ごとにひとくくりで概括的に表現するものです。
① 人種と民族は重複することが多いので、その区別については誤解されることが多いものです。人種の区別は血統的(遺伝的)なもので、人の風貌により大体分かることが多いものですが、民族性は見かけでは全く分からないことも多いものです。その風貌も長い歴史の中で混血が繰り返されると区別がつかなくなることも多いものです。例えば前回紹介した如く、モンゴル人と漢民族の中国人は体形も異なり、大体分かりますが、回族の人達や満州人と漢民族の中国人は見かけ上はほとんど区別がつきません。
② シンガポール人や台湾の人々は人種的には、中国人系統の人達が最多ですが、大陸の中国人とは明らかに異なります。彼等自身も同じと見られるのを嫌うでしょう。それは風俗習慣では、今尚大陸の中国人と多くの共通点を有していても、価値観が異なると共にそれが既に定着しているからでしょう。現在ブラジルなどから日系三世や四世の人達が来日し、定住している人々もかなりの数になりますが、人種的には日系であっても風俗習慣や主要言語は日本生まれの日本人とは異なることもご存知でしょう。
③ 香港での民主化闘争の原因も、民主主義の社会の中で生まれ育ってきた人々と北京の中央政府の意向に従おうとしている香港政府との間の矛盾を表していると見るべきです。「一国二制度」を看板だけにせず、文字通り一国二制度にしておけば発生しなかった矛盾であり、北京の中央政府の二枚看板があらわになってしまったと云うべきでしょう。
④ 日本人とは何ぞや?単一人種と見る人達もいますが、正しくはありません。人種的には前回紹介した如く、モンゴル系の縄文人と朝鮮半島や中国大陸華東地区の人達との混血人種であり、見ただけで大体判別出来ます。然し民族的には歴史的な長い年月の間に日本人としての同一民族になってしまったというべきでしょう。民族性は長い年月をかけて環境により形成されるものであり、これは人間のみならず他の動物や植物にも言えることだからです。
⑤ 世界の人種は白黄黒の三区分されますが、黄色人種だけをとっても、東洋人である日本人、中国大陸の中国人、半島の韓国・朝鮮人等は人種的に大差ないが、背の低い東南アジア人やインド、パキスタン等南アジア人等は見かけだけでも異なり黒人の多いアフリカでも地域ごとにかなりの相違点が見られますが、オーストラリアの原住民であるアボロジニー等はより原始的な風貌をしている黒人ですが、人類学的に見ると興味深いものでしょう。然し、アメリカに渡った黒人も当初は殆ど奴隷として連行されたものだが、近年各方面で黒人も活躍されていることを思えば、本来人種的な優劣はないことが分かります。
⑥ 資産のない一般大衆の利益代表者を任ずるのが共産党であるが、政権を取得し時間が経過すると、指導的立場として実態としては独裁者に変質するのは既に社会主義国家で事実を以て証明されているが、中国でも斯様に建前と真逆の状態になってしまうのは、やはり権力は腐敗し易く、絶対的権力は絶対に腐敗すると歴史的に証明されていることを示していると言えよう。権貴族との言葉が生まれたのも当然でしょう。
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