2020-1-17 中国進出―中国を知る(189)日中関係はどうなるか?(2)
前回「中国を知り過ぎた外国人も困りもの」との、ある中国人の独り言類似の意見を紹介したが、
現在中国在住の方々は自己の行動や発言にはくれぐれもご注意頂きたい。私の様に日本人商社仲間より“右翼的人物”と見られていた日本人よりも、“左翼的人物”と見られ、本人自身も親中国的だと自認していた日本人がよりスパイ容疑者に仕立て上げられるという特殊な事情にあることを、よく認識すべきであろう。私自身、親しい中国人とは率直な意見交換や情報交換をしたが、深入りはしないように留意し、商業情報取得もなるべく商談時かホテルのロビー等公開的な場所を選んでいたことは前にも紹介した通りです。
現在、日米など西側諸国では香港や台湾での民主主義体制が、中国大陸側より干渉を受けている問題や、チベットや新疆ウイグル問題が度々報じられているが、現象のみならず長い歴史的尺度で以て観察する必要があろう。ほとんど報道されないが、戦前の日本は東アジアでは五族協和であるべきとして、ヒットラー等民族浄化主義とは真逆であった。五族とは日本、朝鮮、満州、モンゴル、漢民族の五つであり、孫文や毛沢東も五族協和を唱えていたが、日本民族と朝鮮族は含まず、その代わりチベット族とウイグル族を含めていた。大きな相違点はどの民族が中心的役割を果たすべきかと云う点である。更に言えば現代中国にとっての五族協和とは漢民族により、他の少数民族を同化吸収することを意味している。勿論建前は各民族夫々の特徴や歴史的特殊性は尊重されるべきとしている。実態は如何だろうか?
内モンゴル自治区では、あたかもモンゴル人の自治区の如き印象を与えるが、人口2500万人の中2000万人が既に漢民族、モンゴル族は400万人、満州族その他が100万人であり、実態としては既に漢民族の地方自治体となっている。これが昔はチンギスカーンやフビライハーンが活躍し、全中国のみならず東欧諸国や東南アジア迄勢力を伸ばした元王朝の末裔の実態である。尚外モンゴルは、モンゴル国として独立国となっているが人口は300万人足らずであり、気にするほどの存在ではないとの中国知識人の意見だった。従い、チンギスカーンを民族の英雄として祭っても文句など言わない訳である。満州族に就いては公称1000万人以上となっているが、彼等独自の文字を読める人は学者などごく少数となっている。北京の故宮を見学したことのある人はお気づきのことと思うが、漢字の脇に日本人には読めない文字が併記されている。これが満州文字である。吉林省には七つの満州族自治県があるが最早民族紛争を起こす程の情況ではなくなった。
統計的には最大のチワン族(壮族)は1600万人も居るが、民族紛争はないと見られる。回族は
統計上1000万人居ることになっているが、全国に散在しており、私が仕事の関係上2年間生活した寧夏回族自治区では漢民族が多数派になっていた。中国の少数民族政策の実態は、漢民族を移住させ多数派に仕立て上げ、少数民族はなるべく全国に散在させ、文字通り少数になれば保護すると云うものである。
チベットとウイグル族は歴史上も漢民族の支配下に入っていた期間と独立していた期間が時々入れ替わるとの特殊な事情もある。又チベットの平均高度は富士山よりも高く、漢民族の移住も思うようにならず、今尚人口の90%以上がチベット人である。新疆ウイグル自治区ではウイグル族と漢民族は共に45%前後である上、国境の西側には中央アジア諸国があり、ウイグル族と同族或いは兄弟族と見做される民族が住んでいる為、民族紛争が頻発している。中国の民族政策の実態に対しては国際的批判があり中国政府は内政干渉として反撃するが、以前南アフリカのアパルトヘイト(民族差別・隔離)に対しては、中国政府も国境を越えた人類共通の問題として、反対してきた。
一方中国の憲法では、中国共産党が政府を超えた指導機関と規定している。
お願い:私の当ブログに対し、ご意見やご異論があればご遠慮なくお寄せ下さい。
出来ればメールにてお願い致します。
当ブログは小生氏名、柳沢国広で検索すれば見られると知人、友人にもご紹介下さい。
Mail add : knhr-yana@jcom.home.ne.jp
URL : http://www.consultant-blog.com/yanagizawa