中国進出ー中国を知るS.(58):最近の日中関係を憂慮する(その四)
台湾、東南アジア諸国更にはインド、トルコに至るまで殆どの国々は親日的あるが、特に台湾は戦前韓国以上に長期間、日本に併合した状態を継続したが韓国の人々とは対日感情がまるで異なる。又台湾の人々は人種的には中国大陸の人々と殆ど同じであるが、対日態度は全く異なる。戦後如何なる国とも交戦せず平和な日本であったが、中韓両国のみがどうして今なお日本を批判し続けるのだろうか?多くの学者や評論家は何故か根本的理由や原因を語らない。両国は最近の日本は軍国主義を復活しようとしているとか、右傾化していると非難するが、中国や韓国の現実を基準として見れば、日本の安全保障の施策面での努力の程度は遥かに貧弱ではなかろうか。これには韓国の朴大統領の言う通り、公正客観的な基準での判断ではなく、一千年の恨みと言う感情的な側面が大きいのではないか?更には下述する如く、潜在的恐怖感もあると見るべきであろう。
1、 日本の古代文明は、稲作、銅器、文字、建築技術から都市計画、法令整備に至るまで大陸に学び渡来したものが多いが、韓国人に言わせれば主として半島からだとなってしまう。更に中国では文革の一時期を除いて儒教精神が潜在意識としてあり風俗習慣にもなっている。特に現在は世界各国に孔子学院を普及させつつあり、「長幼の序」をその根幹としており、日本は子供や孫の如き存在であり親に歯向かうのは許せないとの潜在意識もある。特に韓国では現代生活の中に世界で最も強い儒教精神が定着されており、親や先輩、上司を敬うのが常識にもなっているのは周知の通りです。一方、4世紀末より、再三に亘り大和民族に蹂躙されたとの意識とリベンジしたいとの意識が強い。
欧米に対しては、伝統的文明での師匠としての意識はないので、170年前のアヘン戦争以来の各種の支配や強奪に対しても、日本に対するような恨みは残していない。
2、 ある中国の知識人との論争で、以前紹介した如く殺戮の限りを尽くし、遂には中国を完全に支配したジンギスカーンを、モンゴル人が今なお祀り上げるのは問題ないが東条英機が祀られている靖国神社への政府首脳が参拝するのは許せないと言う。その真の原因は、敗戦国の日本がより早く経済大国になり、文化的にもモラル的にも世界最先端のレベルに達していることへの嫉妬心が原因と判明している。これは中国政府首脳や知識人の中に広範に存在するとみて間違いなかろう。
3、 更に冗談半分の話ではあるが、「いざとなれば日本人は中国人より強い」として、日本の歴史研究家のある人は文字通り平和な時代が続いた平安時代末期に平家が勃興し、武家が政権を握り鎌倉政権を打ち立てた後、明治維新に至るまで武家政権が続いた。更に平和ボケした江戸時代もペリー率いる艦隊が来航して開国を迫ると、あっという間に富国強兵の明治時代に突入し、世界的強国のロシアや清との戦争で勝利した。従い、日本に対しては油断も隙も与えてはならないと言う。更に中国の軍備増強は必須事項であり、日本の国防努力を牽制し続けなければならない。又、本来中国人は一対一なら強いが三対三以上では弱いと言う、団結心に問題あり、日本人の団結力にはとてもかなわないと真顔で心配する者もいる。
4、 戦前日本が欧米列強諸国に対抗する国際的な勢力拡大に、軍事優先主義で邁進したのは事実だが、戦後70年近い長い年月は正に「羹に懲りてナマスを吹く」状態の平和ボケの状態にあるのも事実である。然し、訪日経験者以外の大多数の中国人は各種“歴史教育”により、作られた虚像を実際の日本だと信じている。身近な例では日本では男尊女卑が普遍的に存在し、家庭での財布も主婦が握っている事等全く知らず、日本女性は貞淑であるが、男は凶暴であると信じている大学教授さえ居たほどである。- 続く-
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