日本でもそうだが、中国でも一般にアジア・アフリカ人より欧米人が好きである。 この500年来近代文明が欧米でより早く発展し、見かけ上も背が高く青い目をしており、皮膚が白いのが格好良く見えるのかも知れない。
 私の友人の説に依ると、特に好きなのはアメリカで、抗日戦争では皇軍を打ち負かせた唯一の国であり、国民党支援を通じて、中国への支援を続けてくれた。又、戦後軍事経済共に世界No.1である。次に好きなのはカナダやオーストラリアであるとのこと。
最も嫌いな国は、以前は北朝鮮と言うのが通り相場であったが、最近では韓国とのことである。主な理由は在中韓国人の態度が横柄なのが多く、又古代文明等では中国人の祖先が発明したものを韓国人の祖先が発明したと言う。漢字まで韓国人の祖先が発明したと言い、我慢がならない。どちらにしても次に嫌いなのが日本であると言う。
 然し、対日感情は複雑で、最新の聴取情報では「日本の男性は一般に凶暴で嫌いだが、日本女性は貞淑で大好きだ」と言う。映画やテレビの歴史ドラマの影響が大きく、 
家庭内では女性上位の現況を説明しても、日本に長く住んだことのある人以外信じてくれない。この5-60年間を概観すると、1972年9月に国交回復するまでは、国交回復を求める日本人は良い人達で、その反対の人達は悪い人達と単純に区別していた。日本に関する情報も殆ど一般の中国人には伝わらなかった次第であった。国交回復するとご祝儀ムードが一時流れ、靖国神社参拝問題が出てくると冷え込むと言う情況が繰返された。その様な中で、1989年の天安門事件の後、欧米諸国が足並みを揃えて対中制裁をしたが、日本が真っ先に制裁解除に動き出すと、突然一番好きな国は日本で、日本人は素晴らしいと言うことになった。当時日本はバブル経済の最好調の時期で、多くの日本企業がアメリカの会社、ビル、土地を買い漁っており、日本の国土は狭いながらアメリカ全土より評価価格が高いととまで言われた時期であった。世界最強者に憧れる中国人の特性をも示している。
 面白いのは、対日感情は地域差が非常に大きい点である。私の仕事を通じて滞在した 地域の中では、戦前良し悪しに関係なく日本(人)との接触が殆どなかった、寧夏回族
自治区の片田舎や山西省の辺地の黄土高原では、あまり対日感情は良くなかった。   大連、上海、武漢では、一般のレストラン、商店、街での不特定多数の人達との接触を通じて、親日的な人達が大変多かった。大体我々日本人を見る目が違った。親戚か同郷人を見るような目で見てくれる。仕事で10回以上訪問した広東では中立的な印象、北京は政治的都市としてその時々の日中関係が敏感に反映する地域との印象が強い。
 私の武漢の友人の言葉、「歴史的原因で、中国人全般としては日本(人)を好きになるのは、難しいが、心中最も尊敬しているのは日本人である。殆ど地下資源もないのに、
戦後廃墟の中から立ち上がり、世界第二の経済大国にまでなった。特に文化、モラル面でレベルが高いからである。」が印象深い。
柳沢経歴 http://www.nakatsu-bc.co.jp/komon/komon-2.html
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