2018年 2月の記事一覧

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18年02月17日 15時06分32秒
Posted by: yanagizawa

 中国の言う「歴史に学べ」は二重基準(ダブルスタンダード)であり、公平(フェア)ではないと見られるが、前回その点に就いて説明しませんでしたが、中国政府や御用学者に言わせれば、中国の用いる二重基準は公平であり、正しいことになります。何故なら1840年のアヘン戦争以来日本を含む列強諸国に、中国各地があたかも植民地の如き状態にさせられたのは、中国が軍事的にも経済的にも弱く、中国全体としての結束力も弱かったからである。従い中国は強ければ強い程良いのであり、日本等は弱ければ弱い程良いのであり、こうであるのが正しいのだ、となります。思想の自由が保障されている日本には、残念ながら日本国内にも同様に考える一定の勢力が存在します。これが現実です。数年前まで、環境対策についても中国は類似した考え方をしており、次に述べる植民地主義や少数民族問題に対しても、平然と二重基準政策を採用しています。即ち;
1、 近代以降欧米列強諸国は、アジア諸国、アフリカ、中南米等世界各地を植民地として支配してきたのは事実であるが、新中国成立後少なくとも文革時代終了(1976年)までは、欧米列強に反対し原住民側を支持し彼等の独立を支持して来たが、今では逆になってしまった。中国の憲法で最高の指導理念としている毛沢東思想でも、「民族は独立を求めるものであり、幾多の失敗や挫折を経た後に、必ず成功するものでありこれを支持する。」となっているが、中国の少数民族への実際の対応策は逆であることは明白でしょう。
2、 チベット族、ウイグル族、モンゴル族が多く居住する地域は自治区となっているが、毛沢東思想に従って、民族自決を求め独立運動につながるのではないかとの疑念を抱かれただけで反革命、国家反逆罪とされてしまう。憲法でも明記されている毛沢東思想に反するが、ある中国の知識人は平然と「毛沢東思想はアジアアフリカ諸国の民族自決や植民地主義に反対する為に述べたものであり、中国国内には適用されない」と宣(のたま)ったほどである。
3、 更にご都合主義ではないかと見られる重要な点を紹介しましょう。中国は少数民族居住地等で、独立志向と見做せる動きがあれば断固として対処する理由として、歴史的にも中国の一部であったと主張する。然し中国政府公認で出版されている中国歴史地図集(中国地図出版社)によれば、前漢以降中国王朝が強勢だった時だけ、チベット、モンゴル、ウイグル族等の居住地区を支配しており、歴史上の年月の大部分は独立した存在だったことを明記している。
この様に指摘すると、中国政府の政策をバックアップしている学者達は、アメリカ、カナダ、中南米やオーストラリア等、全て原住民ではなく、白人や混血した人種が国家とを形成したではないかと反論する。要は人口比率や力次第ということになる。シベリア東部、極東部は1858年のアイグン条約、1860年の北京条約を強要されロシアに割譲されて現在に至っている。香港同様将来中ロの力関係に大きな変化があると、返還を求めないとは限らない。
4、 この様に力関係の変化次第とも言える政策変更の起点に対して、もう一点中国政府が重視しているのは、植民地主義の現代版とも言える政策である。例えば、内モンゴル自治区の人口は2,500万であるが、既に2,000万以上は漢民族、寧夏回族自治区の人口は600万であるが既に、8割が漢民族となっており、大きな民族問題は起きなくなっている。新疆ウイグル自治区は人口2,200万に対して漢民族は既に41%を超えて増加中、自治区全体のウイグル族はまだ45%居るが全国への分散もあり、比率を下げている。時々民族紛争としてニュースになるカシュガルは自治区西南部の一地域であり、大勢には影響がない。問題はチベットであろう。チベット人は600万近く居るが、約半分は四川省西半分や青海省その他全国各地に散在しており、自治区内には半分強の320万人しか居ない。但し、平均海抜が富士山より高く、気候条件が悪く漢民族の入植も余り進まず一割にも満たない。昔胡錦涛が自治区に赴任しながら、再三体調不良となり、任期中の半分も現地には居なかったと言われるほどである。

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18年02月02日 13時52分50秒
Posted by: yanagizawa

中国に関する報道のみならず、テレビや新聞の報道は国内、海外を問わず殆どが現象面中心で、それも江戸時代の瓦版(かわらばん)同様、「大変だ!大変だ!」が主体のようです。池上彰氏のニュース解説は懇切丁寧ですが、尚、何かもの足りません。そこで僭越ながら中国問題に関するニュースの背景の中で重要と思われる事項を暫く紹介していきます(一部韓国も含め)。
歴史に学べ:中国や韓国の政治家は、日本は歴史を教訓としていないと、今尚お説教めいた発言をし非難攻撃しています。多くの日本人にとっては理解に苦しむところです。その原因には大きく分けて二つあると思います。
その一:彼らの歴史を教訓とせよとの出発点、即ち基準は二つあり、いわゆるダブルスタンダードだと言うことです。例えば日本の国防体制を少しでも強化補充しようとすれば、それは歴史に学んでいないと言うことになります。強い日本の軍事力が中国各地や朝鮮半島支配の原因になったとみています。逆に彼らの軍事力は強ければ強い程、歴史に学んでいることになるのです。又戦前の日本は“上から目線”で中国人や朝鮮人を見ていたが、それを逆転させたいとの思いが強く、コンプレックスの裏返しとも言えるかと思います。
その二:数千年の歴史の中で形成された「恨みの文化」が彼等にはあります。元というモンゴル族が乗っ取り成立させた王朝、満州族が支配した清王朝に代表される軍事力で長年支配された歴史的教訓は日本にはないものです。その仕返しの執拗さは、文革中よく言われた「溝に落ちた犬は死臭を放つまで打ち続けよ」によって極端に表現されると思う。小さな朝鮮半島の歴史で陰謀が渦巻き何度も分裂国家の経験をし、長年中国の王朝の冊法体制に組み込まれ自立した国家体制を維持した期間が殆どなかった韓国もやはり「恨みの文化」でしょう。この様な原因が今なお虚実織り交ぜて“歴史教訓博物館”を拡充したり、慰安婦像をあちこちに立てたりしていることに繋がっています。ロシアの西南方カスピ海の西側に居住するチェチェン族は、「恨みは孫子の代にも引き継ぎ,晴らせ」という文化を保持しているとのことだが、類似しているとも言えそうです。
  斯様な心情が最も典型的に表れるのが、政府首脳の靖国神社参拝問題です。政府の命令で戦地に赴き戦禍に倒れた幾多の御霊を慰霊する務めは、先ずは政府首脳にあるはずですが、戦争を推進した「戦犯」も祀られているとして、反対し続けられているのです。恨みを水に流せない文化と、水に流す文化の違いとも言えそうです。

  一度頭を下げた相手を何時までも責めないと云う日本の伝統的文化(水に流す文化)とは何故真逆なのでしょうか?確かに日本の古代文明は主として中国大陸や朝鮮半島から導入して、発展して来ましたがそれ以上に日本人の国民性を形成するのに影響を与えたものがあるのです。それは、以前何度も指摘しましたが、島国であり且つ山国であるだけでなく、四季折々に大自然の特徴を明確に示す日本人の住む環境、気候風土が日本人を作り上げているということです。何処に向かっても2-3日で海に出てしまう狭い日本、どんな対立紛争があっても、お互い逃げられない、やっぱり仲直りして一緒に生きてゆくのが最善だ、と歴史的に形成されてきたものです。資源に乏しく只勤勉だけが資源、災害に遭っても直ちに立ち上がる、互いに思いやりを持って、助け合う精神が自然に民族性、国民性となり定着したのでしょう。日本伝来の神道と外来宗教である仏教が何の違和感もなく並立し、時には融合するおおらかさ等、中韓のみならず多くの海外諸国の人々にとっては信じられないことかも知れません。
  次回以降、海外への勢力拡大、即ち覇権主義や少数民族問題を含む植民地主義等について紹介しましょう。

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