2012年 7月の記事一覧

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12年07月23日 12時39分13秒
Posted by: yanagizawa
 「どうも仕事がザツで困る、なんとかならんか!?」と、思っていませんか?
 下記の如き事例を、幹部を通じての社員教育にご利用下さい。
1、随分昔の話です。東京オリンピックのあった1964年、私はオーストラリアに商社の
駐在員として赴任しました。前任者との引継打合せの後半で、「理髪店やクリーニング店は中国人の店を利用した方がいいよ」と教えられました。当時日本人はあまり歓迎されておらず、日本人経営の店もありませんでした。第二次大戦で日本の特殊潜航艇がシドニー湾まで侵攻したこともあり(キャンベラの博物館で捕獲された潜航艇を見せられたこともある)、対日感情が悪かったが、一方香港がオーストラリア同様英連邦の一地域であった関係上、多くの中国人が移住して来ておりました。兎も角、オーストラリアでは、日本人程ではないが、中国人の理髪技術は高く、仕事も丁寧であると思われていました。クリーニング屋も同様でした。
2、中国各地にある友誼商店やデパートの工芸品コーナーには、必ず刺繍品や各種の玉器があります。子猫の両面刺繍等その仕上げ加工は素晴らしく、多くの日本人観光客の購入対象品になっています。中国での駐在生活が長い私は、これ等を生産している蘇州の刺繍工場(研究所と称していた)や玉器工場参観も何度も参観しました。作業者は特に高級工程師と言うことでもなく、普通の熟練作業者です。従い、みなさんの工場の作業者も指導育成次第で、同様な緻密な作業者に変化し得るのです。特殊技能手当を厚くするなど、若干の待遇改善も併用すれば、より効果的でしょう。
3、汕頭のハンカチも緻密な両面刺繍が施されていますが、昔から代表的土産品となっていました(実用品ではなく、本来貴婦人のアクセサリー)。最近では「イグサ」を用い製造された各種寝具やソファー用品もデパートで見かけますが、仕上げ加工も素晴らしいと思われます。多くの中国人は、本来手先が器用であり、どこまで本来の潜在能力を発揮し緻密な作業をマスターするかは、指導育成次第だと確信致します。
4、「中国人は、大陸的で何事も大雑把で変わらないよ」と思っている人は、日本人に限らず、中国人の中にもいますが、一側面に過ぎません。以前にも触れましたが、文革前の中国は何処に行っても、清潔で無駄がなく、約束時間も順守し、人々は助け合い、街中でよく見かけた行列も、割り込む人はいませんでした。信じない従業員には「祖父母など老人に聞いてみなさい」と断言して下さい。文革で秩序が破壊され、改革開放で経済発展したが、反比例してモラルレベルが低下したとも言えます。必ずや回復すると信じます。
    柳沢経歴 http://www.nakatsu-bc.co.jp/komon/komon-2.html
    Mail add. Knhr-yana-@jcom.home.ne.jp
12年07月10日 14時26分11秒
Posted by: yanagizawa

  多くの日系企業では、工場など職場の巡回チェックをされていると思います。然し中には巡回曜日や時刻、ルートを決めているところもあります。これは幹部の責務を明確にしておきたい意向と思われますが、好ましいことではありません。決めるのであれば:

1、週に何回巡回チェックするか、気づかれた良い点、好ましくない現象、どう対処したか等、巡回結果を簡潔に報告させること。

2、巡回検査時に、現場作業員に直接指導指示をする幹部が時にはいるが、これは好ましくない。円滑であるべき現場作業に悪影響が出る恐れあり、又良好であるべき現場人間関係を阻害する恐れもある。必ず班長など現場長を呼んで、よく聞き彼等を通じて指導改善をすべきである。

3、健康管理にも十分気遣いすべきである。身分意識や職階意識の強い中国では、幹部は必ずしも末端の作業員の健康状態への留意が十分でない場合があり、注意を喚起すると共に、状況により医務室に行かせ、又は早退させること。

4、当然ながら、巡回報告の結果に基づいて、模範的な事例を発見した時は、幹部会で披露すると共に、場合により朝礼などを利用して全社員に知らせ、顕著な事例に対しては物心両面で表彰すべきである。

5、現地政府(地方自治体)首脳や賓客がある場合、多くの職場で直前に突然5S活動に熱心になる場合がある。日頃の5S活動が最も大切で、この様な場合や検査日の直前のみ熱心なのは、モラル的に低劣であると、再三指摘したことがある。定着させるのは難しいことであるが、飽きず懲りず指摘し続け、「継続こそ力なり」と言い続けましょう。
柳沢経歴 http://www.nakatsu-bc.co.jp/komon/komon-2.html
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12年07月04日 13時57分30秒
Posted by: yanagizawa
「会して議せず、議して決せず、決して行わず」とは、日本では広く知られる戒めですが、日本企業にあってはこの様な事例はあまり多くないでしょう。
然し、建前と本音の使い分けが日本人以上に上手な中国人社員相手では、十分な対策を採る必要があります。経験上気付いた点を若干下記します。
1.日系企業、特に中小企業の役員が現地進出企業のトップに居られる場合に多いの は、 説教、訓示型の会議が多いことです。同意、承服を求めれば、先ず「分りました」とか「その様に致します」と異口同音に回答があるでしょう。
2.全社員対象の朝礼等では、勿論訓示や教育的な話は必要ですが、幹部社員との
会議では、十分納得したかどうか見極めながら会議を進行させる必要があります。
特に十分な理解もなしに、即座に賛同する幹部社員は「要注意」です。基本方針では
同意しても、各論や具体論で多少異議を唱える幹部は、見込みありと見て間違いないでしょう。それだけ真剣に受け止めているからです。
3.実施事項を決した場合、その結果報告を義務付けることが肝心です。案件次第ですが、「何時までにどの様に報告する」かも決めておくことです。集約担当(又は事務局)も決めておくべきです。何もかも「トップに直接報告せよ」では、幹部の育成は覚束無いでしょう。
4.十分な集約とトレースが済んだら、後日の会議で模範例を開示すべきです。全く駄目な部課長は個別に呼んで注意しましょう、それも「褒め殺し」の要領での指導が効果的です。一種の防衛本能かも知れないが、駄目な幹部ほど自尊心が強く、面子を重視し,所期の目的が未達だと、原因を他に求めるものです。
5.会議で時には“独創的”な提案があるでしょう。どうせ大したものじゃないと、決め付けず、大いに持ち上げて挑戦させて下さい。とかく指示されたことのみ実行すればよいとの傾向の強い中国人社員ですが、本来中国人は日本人以上に独創性が強いものです(自己主張が強い民族性と関係があるでしょう)。幹部社員に模範例を作らせるのに成功すれば、波及効果は小さくありません。
柳沢経歴 http://www.nakatsu-bc.co.jp/komon/komon-2.html
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