2012年 2月の記事一覧

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12年02月28日 12時39分33秒
Posted by: yanagizawa

  「PDCAや5W1H」に就いては、各種の参考書が出版されており、 又中国に於ける多くの日系企業が社員教育の中で強調されているが、なかなか徹底していないのではなかろうか。
  5W1H即ちWhen Where Who What Why及びHow(何時 何処で 誰が 何を何故及び如何に)のことで、問題発生時の点検、報告、検討、対策での基本的要素であり、
中国人幹部社員はほとんど承知のことと思う。然し、実行程度となるとかなり疑わしいのではなかろうか。体験談から言えば、あまり高邁な要求はせずに、夫々実情に合わせて
簡単な書式を作って置き、最低限これ等の要素は記入させるのが効果的です。そうでないと、日本人ほどは緻密でない多くの中国人幹部は、「漏れ」があっても、あっさりとしていて、「済みません、うっかりしていました」で済ませてしまう。後からお説教しても
「後の祭り」です。過大な要求しない代わりに「洩れ防止」が重要な第一歩です。
  Plan→Do→Check→Action即ち計画→実行→点検→対処し計画の見直しし、更にこのPDCAをぐるぐる回していく訳ですが、とかく「言い訳上手」な彼等ですが、「言い訳」を抑えてはなりません。途中で「言い訳」をさえぎって、「お説教や指導」に移ってしまうと、  日本人経営者や指導員の自己満足に終わってしまい、彼等にも不満が残るだけであまり効果は期待できないでしょう。先ず存分に「言い訳」を言わせることです。その「言い訳」に合理的な面があれば採用すれば良いでしょう。
 然し多くの場合、自分や自分の部下の問題にはせず、誰かのせいにするでしょう。存分に言わせた上で、上述5W1Hの観点から、重要な漏れがないかどうか、責任転嫁をしていないか見極めることが大切です。横の連携、協力不十分な場合が多いので、その様な場合は関係者間で一種の契約書を作成し、関係者間で責任範囲を明確化する必要があります。日本的に当然のこととして 協力せよとして、協力関係の良化にはあまり期待しないことが肝要です。

 話は替わりますが、シンガポール人の大部分は華僑の末裔であり、中国大陸の人々と血統的には同じですが、中国人から「シンガポール籍の華人」と見られるのを嫌い、我々は「シンガポール人」だとの誇りが強いそうです。それは、モラルレベルが世界的にトップクラスに位置し、街も清潔で、文化レベルも高いからだと言うことです。そのシンガポールも昔からそうだった訳ではありません。1959年より英国帰りのリー・クアンユーが不退転の決意で、大小様々な法律や条令を設けて、断固として実行してきた帰結なのです。「周囲への目配り」、「周囲を気にする」、「恥の文化」を有し、世界的には稀な存在である我々、日本人の心情を抑えて対処する必要があります。リー・クアンユーに大いに学びましょう。
柳沢経歴 http://www.nakatsu-bc.co.jp/komon/komon-2.html
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12年02月23日 12時21分48秒
Posted by: yanagizawa
 1989-91私は商社の北京事務所所長をしていました。上海にも事務所があり、打合せの為毎月の如く上海に出張しました。我々常駐代表は全て居留証を保持していましたが、当時上海にはホテルが少なく、錦江飯店や静安寺近くの安宿である静安賓館や上海賓館も利用していました。その近くにアメリカのヒルトンホテルがオープンしたと知りましたが五つ星クラスで、部屋代も高く利用するのは無理と思っていました。すると上海事務所のスタッフが調査し、緑色カード(居留証のこと)保持者は1/3の料金で泊まれる特別
優遇が受けられると教えてくれ、其の後常宿にした次第です。
 この現地名、静安希尓頓酒店を利用する様になって、サービスが行き届いていることに感心しました。白髪の大柄のアメリカ人と思われる年配の男性が、ホテル内を巡回し、
末端の従業員である服務員にニコニコ顔で声をかけているのも、よく見かける様になりました。この話を上海事務所スタッフにしたところ、このホテルの下級管理者である、大卒の若い女性から次の如き情報を入手しました。
 このホテルのトップマネージメントはアメリカ人であるが、上級管理者は香港から派遣されている経験豊かな男性スタッフで、服務員に直接指示指導する下級管理者は大卒の
現地スタッフ(大部分は女性)とのことであった。ホテル内を巡回しているのはアメリカ人総経理で、何か問題を発見してもその場では良い点のみを指摘したり、冗談を言ったりし、下級管理者や服務員達を笑わせることが多いとの事であった。
 ところがこの総経理は、香港から派遣されている上級管理者との会議では、現場で
目撃した問題点を指摘し、関係する幹部を容赦なく批判、叱責するのを常としていたとのことです。其の後注意して見ていると、香港からの上級管理者と思われる男性職員が、
若いインテリ風の女性(下級管理者)を現場で厳しく指導している光景も見かける様に
なりました。
 話は変わりますが、私が30年以上も奉職した商社の社長は少々変わっていました。  会議が長引き食事時間に食い込むと、幹部との会議では軽食のサンドイッチかカレー
が出されましたが、若い連中との会議ではステーキ等本格的な食事が出されるのが
慣例になっていました。又勤続10年の社員は表彰を受け慰労され、記念品も授与され
ましたが、勤続20年者への慰労や表彰はありませんでした。20年も勤務すれば表彰
慰労されるのではなく、逆に表彰慰労する側に回るべしとの意向でありました。
 以上アメリカ人と日本人経営者の一つのスタイルでありますが、何か共通するものが
あり、時々思い出しては一人苦笑している次第です。皆さんからも何か面白いエピソードが寄せられれば幸いです。
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12年02月18日 14時26分47秒
Posted by: yanagizawa
 工場での生産では、Man(人)、 Machine(機械設備)、 Material(原材料)、 Method  (方法、工程管理)の4Mが重要と、多くの企業では教育しておられよう。
これ等は正に大変重要なので、次の諸点がどの程度まで深く、広く徹底しているか点検してみて下さい。
☆ 人の要素:中国では新たな仕事(作業)が、必要になると多くの中国人幹部は新たな専任の担当者を採用又は配置を求める傾向にあります。日本の役所が仕事の増加した際に採用しようとする傾向に類似していると思われる。此処で重要なのが、作業者の多機能化です。類似の仕事は極力同一人物に兼務させることです。この点が日本国内の工場と較べて人的生産性を低くしている大きな原因です。中国人は東洋文明の生みの親であるから、日本人が出来ることは、君達も出来るとして教育するのが肝要です。
☆ 遊休設備はどう措置されているか、点検が必要です。廃棄するのか、生産増強の必要時には、何時でも応えられるよう整備されているか、場合によっては改造して使用することも必要でしょう。一般に中国人幹部は遊休設備への関心が薄いものです。 此処で必要なのは、設備購入時供給先との間で、設備保証契約を必ず締結することです。大きな設備では、保障期間支払を保留する「保証金条項」(この条項については、中国での長年の経験があるので、希望者には見本を提供します)を必ず入れることです。保障期間切れた設備に関しては、社内の設備管理部門と使用部門との間で、「設備保養、修理協定」を結ばせておき、いざと言う時に、誰の責任かはっきりさせて置くことです。
☆ 原材料(補助材料や予備部品を含め)も長年、デッドストックになっている場合が、往々にしてあります。最低限1年以上在庫のものは、必ずリストアップして置き、半年に一回程度は点検させ、その結果を報告させた上で、必要な指導をして指示を下しましょう。日常放置しておくと、廃品同様の価格で売却処理となってしまいます。
☆ 工程管理は、指示した通り実行させるのが基本ではあるが、それだけでは不十分です。大いに末端の作業員を含めて関係者に創意工夫させて、改善向上させていくことが 重要です。創意工夫賞を設けて物心両面で表彰すると共に、更に実行賞も設けて、単位 時間当たりの成果や歩留向上に対しても表彰して下さい。
以上実態調査しても、問題ないことを祈ります。
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12年02月14日 17時16分37秒
Posted by: yanagizawa

  日本でも会社規模が、ある程度以上になると派閥が生まれ易くなります。
中国ではより一層生まれ易い土壌があると言えます。狭い日本、広大な中国、どんなところに居ても、200km足らずで海に到達してしまう日本、海までの距離が平均しても1000km以上の中国、この様な土地柄から日本では、見知らぬ人達にも留意し、気遣いし、思い遣る心も自然に湧いてくるが、逆に回りに対して一切気遣いしないと、「村八分」される恐れもある訳です。「村八分」の意味を中国人に説明しても、「頭で分っても、気持ちでは分らない」状態になります。あくまで、自己中心的であり、次には一族郎党、友人、同窓生、同郷人が大切なのが中国人です。従い、企業内での派閥発生は、極自然であり、その存在を感じても解消させよう等とは考えないことが肝要です。かえって、“陰に籠もり”逆効果になるでしょう。意図的に無視したり、意図的に認めたりせず自然体で対応するのが良いのです。
☆ 会議等で自派の幹部の発言には、賛同、支持する様な発言があっても、そ知らぬ顔で、対抗してる     派閥の意見も聞くべきです。
☆ トップの新たな提案や勧告に対して、よく理解されていない段階でいち早く、賛同する様な意見が出てきたら、その幹部は要警戒です。総方針では確固として遵守しながらも、各論では繰り返し質問し、更に独自の意見を出す幹部こそ重視すべきです。
☆ 更に言えば、いい意味で競争させることです。偶然、一つの派閥のみの集りになった場合、「君達を信じ、期待している」と言ったら良いでしょう。どの派閥にも同様に言うべきで、トップが差別してはなりません。夫々のグループが「真に注目、重視されているのは我々だ」と思わせておく事です。
 結果的には、公明正大であるべきで、“イエスマン”に良い思いをさせては、なりません。さもないと、特定 グループのみ肥大化し、総合力は発揮されないでしょう。
☆ 脱落しそうなグループにもケアする必要があります。それとなく「期待していたのに、xxxの為、こう言う結果になった。残念至極である。」と言うべきでしょう。
  この幹部社員教育シリーズは、もう暫く気づいた事柄を追記し、その後誰でも知っている基礎的な事柄を取上げ、皆さんの日常の点検作業のご参考に供したく。
 ご意見、ご批判をお待ちしています。
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12年02月12日 14時14分55秒
Posted by: yanagizawa

私の「幹部教育の要諦」第10項は<幹部には、率先垂範を要求し、実態を時々点検すべし。「頭を労するのは幹部で、作業者は体を動かせば良い」と考える、古い考え方の幹部がまだまだ多いのが中国。>現場の作業員を集め、又は係長、班長クラスの下級幹部を集め、得々とお説教をし訓示を垂れる一方、自分では動かず他の部長クラスの幹部同士で、無駄話や何やら&情勢分析をしている幹部は、今尚少なくなく、皆さんも多少に関わらず目撃しているでしょう。彼等の心理状態は、「自分はより深く、より広く情況を把握しており、更にそれを深め広くして部下の管理、指導に活かせばよい」と思っています。

又、企業トップの新たな指示や方針表明を聞いた時には、会議ではすんなりと 理解した振りをするが、同僚の上級幹部同士で、トップ指示や方針の由来の分析に余念がありません。品質や生産性に直結する工程管理の変更等があまり徹底しないので、本社から応援の専門家を招請し現場指導をお願いすると、又異なる反応があるものです。表面的には感嘆し賞賛するが、影では「あんなに手足を動かす作業まで 指導幹部がやるべきでない。作業員達にバカにされる」と言い合ったりしています。全ての幹部とは言いませんが、これ等は長年の風俗習慣的悪癖であり、容易にはなくなりませんが、対策として、本田自動車の本田宗一郎氏が、時々作業服を 着て現場に出向いて、現場技術者と一緒になって、改善改良に取組み「技術の本田」となった様な、事例紹介も効果があるでしょう。

十数年前ですが、JICAの林業関係での技術援助の仕事の手伝いをしていた時代の話です。ある日100km以上離れた山中にある苗畑視察に出向いた時、現場を管理している現地林業局(局と言っても日本の係り程度)の女性の局長は、40歳未満の 美形で、何を勘違いしていたのか知らないが、厚化粧をした上大都会でのパーティにでも出席する様な服装で現われ、我々日本人全て大いに驚いたが、同行した中国の林業関係者は、どうも極自然に受け止めていた。又、日本から派遣された、林業関係技官の話では、自ら木登りもして剪定作業要領を教えようとすると、「止めてください、言葉で言ってくれればよい」と毎回の如く言われたとのことであった。一方黄土高原で治山治水の仕事をした時は、北京林業大学に拠点を置いて仕事をしたが、千キロも離れた山中に行っての仕事だったが、同僚の教授連中は現場の作業者共々、手足を動かしていた。やはり日本と長年交流してきた大学の先生方は、違うなと関心した次第である。

飽きずに懲りずに、 対処して行きましょう。


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12年02月09日 14時56分15秒
Posted by: yanagizawa

「幹部教育の要諦」第9項は、<企業のトップは、「言行一致」であること。「不一致」があれば、誰も信用しなくなり、面従腹背となる。又、軽率な発言は不可なり。信賞必罰を含む就業規則は厳守されているか、点検が必要。とかく日本人は「言葉のみ厳しい」と見られている。>と記しました。多くの経営者にとっては、『当り前のこと』と受け取られるかも知れません。
然し、もしその様に理解するなら、それは甘いと言わざるを得ません。殆どの中国人は、何時でも自己正当化し、自己弁護するのが習慣化しています。そこで仕事面で所期の目的が達成されなかった時には、他人のせいにします。最も“賢明”な幹部は、どうでもよい様な些細な事柄に対しては、進んで自己責任の態度を表明し責任感が強い人であると周囲に印象付けることに余念がありませんが!

やや話がそれましたが、日本人の董事長や総経理との関係では、せいぜい「理解が不十分でした」とか、「努力が足りませんでした」程度の言い訳になるが、同僚や取引先との関連では十中八九は、自分以外のひとのせいにすることは、皆さんも経験済みでしょう。そこで必要なのが、彼らに付け入る隙を与えない事です。彼等の影の言葉では、「ボスは言うことがコロコロ変わるので、本気にして取り組んでもバカらしいよ!」、「言う通りやったのに、急に方針を変えて批判されるなんて、おかしいよ。元々指示が間違っていたのじゃないか?!」等々があります。彼等は、会議等で真面目に話を聞いていない様に見えることが多いが、実はそうでもありません。法令順守が不十分なのと同様に、よく聞いた上で万一に備えて切り抜け方法まで考えていると見たほうがよいでしょう。
 隙を与えてはなりません。一貫していること、更に「信賞必罰」をしっかり適用させ、実行することが肝要です。そこで、忘れてならないのは、「手抜き」にはより厳しく、懸命に努力したが「過失、又は運悪く」成果が出なかった場合には、やや甘くするさじ加減です。更に言えば「手抜き」した者に対しても、当事者の過去の成功例や努力の成果の実例を指摘し、やれば出来ると激励しておくことです。

 会議や個別打合せでは調子の良いことばかり言いながら、影では不平たらたらで油を売っている、面従腹背の幹部の存在に「止む無なし」と言わんばかりの経営者にも会ったことがあるが、これではあまりにも“悲しい”と思う。


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12年02月08日 12時48分48秒
Posted by: yanagizawa
 

私の「幹部教育の要諦」、第8項は<企業のトップは、戦略(長期、総合的)と戦術(短期、局面的)を混同するな。戦略の変更では全ての幹部の理解を得よ(同意を得る 意味ではない)>ですが、正しく理解されたか、やや気になりす。 戦略と戦術の言葉の意味の違いをあまり熟慮せずに、幹部や社員、更には取引先等に対して使用する、日本人トップがいるからです。中国は「言葉の国」で、論理的にも感性的にも正しい言葉使いをしたいものです。
戦略:業種により異なるので、製造業に限定して言いますと、何を製造して何処に売るのかは基本的戦略になります。又、最終製品ではなく、部品類を製造している場合は、ユーザーは不特定多数の購買者ではなく、限定的になるでしょう。俗に言う下請け生産です。場合により、単純な部品生産、複数の部品類を組合わせた複合部品、更に高度な複合部品で汎用性のあるものの生産では、夫々企業の立場が異なります。
下請け生産は従属的だとして、全く関連のないものの生産を始めようとする場合は、余程の決意と幹部一同が共通の認識を持つ必要があります。そうでないと成功は覚束無いでしょう。随分昔のことだが、デンソー(日本電装)が、トヨタ以外にも供給しようとして、トヨタのご機嫌を損ねたが、社員が一丸となってトヨタには心配かけないと、製造現場だけでなく夫々の持ち場で万全を期し、結果として現在では年商3兆円、利益積立金が1.6兆円にもなる企業に成長しました。
 ほとんど、親会社又は日本の昔からの取引先に納入していたが、中国国内販売を始めようとする場合には、必ず与信管理に対して徹底的に研究し、策を練るべきです。“人を騙すのは悪いが、騙される方がもっと悪い”と言われる中国で、与信管理が日本国内より、低レベルという会社が多いと言われるが、これでは貸し倒れ損金処理が止まらず、売掛金回収活動の費用まで考慮すると、何をしているのか分らなくなります。
 中国は、まだまだ発展途上国で春秋に富んでおり、更に国土が日本の25倍以上、人口が11倍もあり、新規企業の平均寿命は3-4年と言われ(日本は30年、欧米は40年前後)るが、中国に於ける日系企業は既に一つの転換期にあることを、現地幹部社員共々認識し策を練る必要があるでしょう。 「中国市場を如何にものにするか」、「低賃金を前提とする時代は終わりつつある」、「中国の原材料価格の高騰も避けられない」など等です。
要は生産性を如何に日本レベルに近づけ、与信管理をするかでしょう。

  古代文明に於いて、輝かしい成果を残した中国人です。「為せば成る、為さねば成らぬ、何事も、成らぬは人の、為さぬなりけり」。時には中国人幹部と博物館にでも行き、彼らの祖先達に敬意を示し、エールを送りましょう。

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12年02月03日 15時30分31秒
Posted by: yanagizawa
 私の「幹部教育の要諦」第7項は、<積極性の養成:挑戦による失敗を責めず、不作為の無性化や敗北を責めよう(スーパーの国営、民営、外国系の繁盛振りや店員の勤務状態に歴然たる差がある)。と記しました。
此処で、積極性を特に強調したのは、個人経営の場合を除いて、殆どの中国人の仕事に対する態度の大きな欠陥は、積極性の不足です。前の第6項とも類似していますが、むしろ日本国内での仕事に対する官民の差を想起されれば、分り易いでしょう。官(お役所)の仕事は、上からの指示を極力忠実に実行しようとするが、指示されていない事項にも、創意工夫して対処する姿勢が弱く、年度末にはなるべく予算を使い切ろうとすることは広く知られています。中国で一番分り易いのは、誰の目にも見えるので、スーパーマーケットの従業員の仕事に対する態度です。国営や多くの大型民営スーパーでは、従業員がやたら多く、従業員同士でお喋りをしていたり、腕を組んで柱等に寄りかかっていたりしているのを、各地の都市で見ました。外資系では従業員も少なく、通り掛かりの客にも声をかけたり、商品の乱れを調整したりしている情況は、皆さんも目撃しているはずです。
 この様な差はどうして生じるのでしょう。業務指導と評価制度に問題がありますが、ポイントは積極性の奨励です。その場合、積極性を発揮しようとして、失敗した時、責めてはなりません。責め立てれば、誰も積極性を発揮しなくなるでしょう。
当然、失敗した場合はその原因究明に共に対処してやることが大切です。「お前等の考え等たいしたことがないから、言われた通りやればいいんだ!」と言う様な、対処方法は 最悪です。然しながら、相当なコスト(人手)がかかるとか、危険が伴う方法への挑戦には、事前報告相談を義務付けるのは当然です。
 更に、創意工夫賞とかコスト低減賞等、各種表彰制度を取り入れ、公平且定期的に  実行しましょう。情況によっては、積極性を引き出す為、参加賞も設けて僅かでも金銭を与えるのも良いでしょう

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12年02月01日 14時47分19秒
Posted by: yanagizawa

私のブログの最初に紹介した「幹部教育要諦」第6項では<思考力を養成しよう:香港、シンガポール、台湾、韓国が何故“四ヶ小龍”となったか?自己責任主義と大鍋飯主義(親方日の丸の中国版)の相違を教えよう。>と、記しました。
 改革開放政策が実行され、一時期は高度成長路線を走り始めたが、10年で中だるみとなり、90年代初頭、再度より一層改革開放をせよと強調されたことはご承知のことと思う。その時に、“四ヶ小龍”に学べと盛んに強調されたが、日本ではあまり報道もされず、 中国人もほとんど忘れてしまった。中国人幹部に対して、その意義を強調する必要性は今尚あると思うので、下記紹介しよう。
 当時の日本経済は、アメリカに次いで世界No.2と看做され、中国では目標としては 高過ぎるとの意識が政府首脳を含めて多くの中国人にあったと思われる。中国人から見ると、韓国を除く三つの国・地域の住民の大部分は、同じ血を引く華人であり、韓国を含めて全て人口密度が高く、資源もほとんどないが、中進国・地域のレベルから先進国・地域になろうとしている段階に見えた。追いつき追い越す目標としては、程好い対象だった。当然中国自身は潜在的には、“大龍”だとの認識は持っている。政治体制は異なるものの、これ等の国・地域では政治活動は長年規制されていたが、経済活動さえ自由化し、 大いに外資や外国技術を導入して利用しさえすれば、飛躍的発展は可能と信じられた。 数年にして、この“学び”の政策は、消化・体得され成功した様に看做されているが、  日本人の目から見ればモラルや勤労意欲の点で、まだまだと言うことではなかろうか?
 今では中国でも強調もされず、ほとんど認識もされないが、“四ヶ小龍”対象国・地域は全て、日本や英国に支配されたとの不幸な歴史を背負っている。然し、「災い転じて 福と為す」と言う訳でもないが、夫々が支配されながらも学んだことを、現代に活かしている。一方韓国は東アジアで最も儒教精神が強く維持され、今尚実生活を規制しモラル維持に役立っている。台湾は戦前から高い教育レベルを有し、日本文化と中華文明の良い所を融合しているとか、香港では英国の法的支配を長く受けた為、順法精神が強い一方、 国家的援助等ほとんど受けずにやってきたので、「大鍋飯主義」とは無縁で自立性が強い。又シンガポールは英国帰りのリークアンユーの法の支配(日常生活の細かい事柄も 規制したことで有名)と教育重視の成果が、経済成長とモラル両面で活かされている。 最近では世界的にモラルの最も高い国の一つに数えられ、シンガポール人との意識が確立されたとのこと。その他、各位の経験や知見に基づいて、幹部たらんとする者は、表面的な学習のみでは不十分なる事を大いに強調して良いと思う。今後の世界的競争では、国の大小等に関係なく、最後は大多数の人々のレベルの高さ次第で勝負が決まり、企業間競争も同様だと。

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