2020年 11月の記事一覧
民主主義に反する体質にも拘わらず、民主主義を標榜する日本共産党に対して、何度か若手幹部党員に、「本当にソ連や中国の共産党と異なると云うなら、いっそ党名を替えたら良いのでは」と問いただしたことがあるが、「その必要はない。ソ連や中国の共産党が本来の共産主義を順守していないだけであり、日本の如く進んだ資本主義国こそ共産主義の国になり易く、成果も上げられるから」とのことだった。多分現在もこの様な考え方であると思われるが、既に指摘した如く現在の日本共産党も民主主義に反しており、又中国共産党や以前のソ連共産党と肝心な点が同じであることを無視していると言えよう。
1、 民主主義の要諦は、主権在民、多数決主義、結社や言論の自由であるが、国会での討論等を観察すると、恰も自分達が絶対的多数派であるが如く、上から目線で主張する。国民からの支持が、自民党など政府与党の一割前後で長年浮動している実態に対する謙虚さもなく、遥かに大きな国民の支持を得ている政府与党を尊重する気持ちもない。彼らに万一にも権力を与えたら、独裁政治を行わせ兼ねないとの危惧の念を抱かせる。
2、 資本主義が発展する程社会主義、共産主義になり易く、又成功すると云うのは100年も前からの教条主義と言えよう。ソ連東欧諸国は30年も前に、不完全ながらも民主主義国に変化し、中国、ベトナム等も市場経済(資本主義)を取り入れて、国の発展を実現している。
3、 1960年代前期中国では毛沢東の計画経済、大躍進政策の失敗(2,000万人以上が餓死したと言われる)を補填する為、自宅周辺の土地を自留地として自由に使用して良いとの政策を劉少奇が打ち出し成功したこと、かってソ連のデパートには計画的に生産された靴が大量の在庫となっていたが、一方ではソ連の女性たちはいろんな手段で西欧から靴を買い求めたことも、象徴的なできごとだった。
4、 鄧小平でさえ「黒猫でも白猫でもネズミを捕る猫は良い猫だ」と言ったように、社会主義や共産主義は、資本主義(市場経済)にはかなわないことを認めていた。かって中国の知人は自分が共産党幹部であるにも関わらず、「中国はいずれ民主主義国家になるだろう。然しほとんどの中国人は、日本人のように自由には責任と義務が伴うことを体得しておらず、好き勝手な行動をする。今でも党や政府に反対したり、批判しないこと以外は何でも好き放題にやっている。もう暫く時間が必要だ」と言ったことがあるが、正に正鵠を得ていると言えよう。
5、 中国や北朝鮮が益々軍事力を強化しつつあるのを知りながら、日本の国防問題を軽視しているのは大きな誤りであるが、終戦直後の「羹に懲りてなますを吹く」から抜け出ていないとしか言いようがない。彼等左翼の人達は、中国の核戦力等の強化発展は正義の行動であると断言したこともある。今でも彼らは選挙で示される国民多数の意向を、天の声とは思わず、宣伝不足と見做し、国民多数を見下している。
知識人が多い日本共産党ではあるが、新興宗教同様、多くの国民に学び彼等の支持を得るよりも、現在の閉鎖的、教条主義的体質、体制を保持したいのが本音なのであろうか!?
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