2018年 12月の記事一覧

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18年12月31日 20時59分45秒
Posted by: yanagizawa

  平成の御代の大晦日も今日が最後となった。中国で年越しの方々も多いと察しますが、今は昔と異なり日本食レストランや日本食材店も多く、食の問題では困らないでしょう。私が初めて訪中駐在した1965年には北京では王府井東側に「和風」と云う畳部屋もある料亭、上海では南京東路の南側に「日式火鍋」と云う看板を掲げたすき焼き屋があったのみであった。然し1965年の大晦日や翌日の元旦は上海の和平飯店北楼に宿泊していたが、ホテルのレストランで年越しそばやお雑煮が出され感激したものである。又1997年の大晦日は武漢に居たが、武昌地区の武珞路北側にある宝通禅寺では除夜の鐘を撞かせてくれ、感激したものである。10年前は大連開発区に居たが、童牛嶺頂上近くの展望台にある梵鐘はお金を取られたが、撞かせてくれた。ずっと前大晦日に蘇州の寒山寺に行ったことがあるが、手前の橋のところで通行止めとなっており、日本からの旅行団の為の貸し切り状態になっていた。中国のお寺に中国人は入れず、日本人など外国人専用になっているのに遭遇し、不愉快な思いをしたこともあるが、今はどうであろうか?!

 ところで、米中貿易戦争と言われている米中関係や米朝関係について、マスコミでは何かと論じられているが、日本的な性急さと期待感をベースに論じている様に思える。
商社マンとして北京に駐在していた昔から、「我々日本人と中国人は、笑顔で握手し、友好、友好と言いながら、足では蹴っ飛ばしあっている様だね!」とよく言われたものである。アメリカのトランプ大統領の言動を観察すると、この様な中国人、朝鮮人特有の使い分けへの理解が欠如しているとしか思えない。電話でのやり取りを含め、会談直後はご機嫌であるが、相手側より示された内容をそのまま真に受けて、時間が経つと理解していた情況と実態が異なることに気付き、怒り出すという有様である。
特に「 外国企業に対する技術移転の強要禁止などに関する法整備」と「知的財産権侵害に対する懲戒強化」に就いては、仮に法令上の整備が進展しても、その運用面では文字通りの成果は期待薄となるであろう。中国人の本音は、「古代文明で中国が優位にあったころ、海外の使節団や留学生(僧侶を含め)に対して、無償で進んだ文化、技術を伝授した。
現代文明では中国は未だ発展途上国であり、先進国は無償で中国が必要とする知識や技術を提供するのは当然である」との思いが強い。更に法律は建前であり、適用の強弱はその時の事情次第であるとの慣例が横行しているのが実態である。以前技術交流(実は自社製品の技術説明会)を大々的に実施した時、中国科学技術委員会から関係するメーカーや商社をまとめて、北京の前門外にある全聚徳烤鴨店(北京ダック)で接待されたが、「本日は、皆さんに本場の北京ダックをご馳走するだけでなく、その製造過程を包み隠さずご披露する為、食事の前に料理の準備している現場にご案内しましょう。何でも見て質問して下さい。全てお答えします。明日からの技術交流では、xxxはノウハウとか社外秘とか言わずに中国側の質問には全て答えて下さい」と言われたものである。
 反対に中国独自の技術に対しては、それが重要技術である場合は、中国人が対外的に披露したりすると、「国家機密漏洩罪」に抵触したとして罰されるし、外国人がその技術を知った場合には「スパイ罪」で厳罰に処されることになります。

 最後に来る平成31年が皆様にとり良き年になります様お祈り申し上げます。

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18年12月13日 22時43分07秒
Posted by: yanagizawa

中国は法律とは異なり実質的には共産党独裁国家である(形式的な野党はあるが)ことは、中国に滞在する人であれば先刻ご存知であろう。然し思わぬことからスパイをしたとの嫌疑をかけられる恐れがあるので細心の注意が必要であることは片時も忘れてならない。例えば共産党や中国政府を批判するような言論も反中国言動と見做されることがある。
1、 昔は大きな橋梁、軍事施設、軍人の写真は撮ってはならないと言われた。文革中は私の様に右翼と見做された人間よりも、むしろ日本では左翼と見做された日本人がスパイ罪や反中国分子と見做されて拘留、逮捕された。彼らは共産主義を正しく理解しているとの自尊心から中国人と激論を交わして恨みをかったからである。私はこんな無用な議論はしなかった。本音で語ってくれたと思われ、自由に意見交換した場合でも、何時の間にか当局に通報されることもあると警戒すべきであろう。
2、 仕事上の必要な情報収集にも留意が必要である。公式な会議や商談での情報入手は問題ないが個別な接触での情報入手には特別な留意が必要である。前にも紹介したことがあるが、個別の情報収集では、故意に北京飯店のロビーなど誰からも見られる場所を選んで聴取したものである。私自身拘留はされなかったものの、スパイの嫌疑をかけられて執拗な事情聴取をされたことがある。それは北京郊外にある大きな工場の総工程師と親しくなり、何度も彼の自宅を訪問したこと、設備増強計画の内容を聞いたことが原因であった。通常の商業活動の一環であると主張して、経過など詳細に文書で提出し事なきを得た。日本の知人から、「昔叔父さんが住んでいた北京のある横丁の今の様子を写真に撮ってくれ」と依頼され、タクシーで行ったことに対して、三日後に外国人受け入れの窓口の人(日常の生活面でサポートしてくれていた人)から事情聴取されたこともある。上記2件はタクシーの運転手が通報したとしか思えない。中国当局のスパイや情報収集ルートや方法は多岐にわたるとの認識も必要である。
3、 最近カナダで中国を代表する通信機器メーカーであるファーウェイ(華為)技術の副会長兼最高財務責任者の孟晩舟女史が、アメリカの要請により逮捕された。名目上は子会社との関係で虚偽の申告があったとのことであるが、実態はファーウェイによるスパイ容疑であろう。同様嫌疑で中国通信機器大手の中興通訊への部品供給を昨年4月より禁止した為、同社は経営不振に陥っているとのこと。一方中国政府はカナダ人の元外交官であるコブリグ氏を「中国の国家安全を脅かす活動に従事した疑いで、10日から北京国家安全局が法に基づき調べている」と中国のマスメディアでも報じている由。これは孟容疑者逮捕に対する報復の可能性が大と思われる。
4、 上記には、報道されることはない深刻な背景があると思うので下記しよう。中国では政府が特に保護して育成強化しようとしている企業と官僚は癒着しており、手段を択ばずその企業を守ろうとするであろう。スマホやパソコン等IT技術の基礎になっている電子部品の製造技術は、日本とアメリカが握っているので、日米からの供給がないと、威勢の良い中国や韓国の企業も立ち行かない。特に半導体素子の製造設備では日本が世界のトップに君臨している。韓国や中国の一流企業もその国産化に注力しているが、製造ノウハウと併せ道遠しであり、その情報取得には手段を択ばない。随分前のことだが、2000人の従業員のいた北京の半導体工場の生産量は従業員200人の日本の中小企業の一割にも満たなかった。品質管理面では基礎的考え方自体なかったが!兎も角スパイ問題では中国は二重基準を堅持していることを銘記すべきである。


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