2015年 6月の記事一覧

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15年06月17日 16時45分01秒
Posted by: yanagizawa

   中国人と長年交流してきて、よく「日本人は本音と建前を使い分ける」と言われたことがある。
  中国人はアメリカ人同様自己主張が強いのに対し、日本人は相手の立場やその時の情勢を考慮 して軟らかく、或いは婉曲に主張することが多いので、このように言っているのです。実は私の理解では、中国人(特に為政者)の方が遥かに本音と建前を大きく使い分けています。例えば:
1.1960年代北京、上海等各地で仕事をしていた時、「人民の解放闘争や民族の独立」を支持すると何度も聞かされ、類似のスローガンの垂れ幕も沢山見ました。然し現状を見れば、中国では一般大衆の自由な意見表明や自己主張すら許されていないことは明白でしょう。
  開発の名の下に農民から土地を取り上げる状況は、幾多の闘争を惹起しています。
2.中国には少数民族の自治区が五つあるが、内モンゴル、寧夏回族、広西壮族(チワン族)各自治区は既に長年に亘る漢民族の移民により、漢民族の比率が80%を越えてしまい、一部の日本の学者が期待するような独立する可能性はないでしょう。新疆ウイグル自治区は今尚ウイグル族等少数民族の比率が54-5%あり、懸命に漢民族を移民させているが、時々民族紛争のニュースが流れて来ることはご承知の通りです。チベットは平均高度が富士山より高く、漢民族の移民政策がなかなか進展しないのが実態です。胡錦濤氏がチベットに派遣されていた時代、大半の時間を低地である四川省で過ごしたことは公然の秘密でした。尚チベット族は古来青海省や四川省にも沢山住んでいて、民族紛争が多発していることも報じられている通りです。
3.中国の憲法では(第四条)民族間の関係は、「一律平等云々、自己の風俗習慣保持の自由」と規定しているが(建前)、実態は支配と被支配の関係になっており、これが少数民族側の大きな不満となっています。前にも述べましたが、チベットの駐京代表が内々語った「独立しようとは思わないが、“北京”のやり方は、昔の日本の関東軍と同じだ。多大な援助をしたことは事実だが、結局は我々を支配しており、親と子供の様な関係であり、憲法で定める様に兄弟姉妹の関係にはなっていない」と言うことに、強い不満が残る訳です。
4.では、“北京”の本音は何でしょうか?中国の政策立案の諮問機関でもある、社会科学院のある幹部との非公式雑談の中で、「北米、中南米、オーストラリア等本来白人の国ではないが、多くの白人が移民して、現地人を弾圧、迫害して結局は白人の国にしてしまった。欧米ではこの様な歴史的事実に対して誰も批判することがないが、我が国の内政に対しては類似の情況に対して非難がましいことを言うのは、正しくない」と、不満を吐露されたことがあります。
5.以上は、中国当局のみならず、多くの中国の知識人は、国際的常識(万国公法、国際法を含め)が時代と共に変化していることを、自国の利害関係で都合よく解釈していることを示しています。植民地主義や帝国主義(拡張主義)が、時代と共に許されなくなったこと、戦争で民間人を攻撃してはならなくなった事等も国際的常識の変遷を示しているでしょう。
   以上は韓国人になると、対日関係ではより過激になることは既に例示した通りです。
  この第5項が彼等の本音であり、清朝末期のアヘン戦争(1840年)以来、100年余列強諸国に蹂躙され、自国に不利な既得権が国際的に認められている情況に我慢がならず、何としても打破したいと言うのが本音であり、離島接収を含む海洋進出や二酸化炭素排出制限を含む大気汚染防止に消極的な姿勢にも表れています。後者に対しては「、真剣に努力しないと結局は中国自身が最大の被害者になるでしょう」と指摘したことがあるが、PM2.5問題はそれを如実に示しているでしょう。 中国問題は現象的観察のみならず、その奥底も覗いてみるべきでしょう。

 
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  柳沢経歴:以前のURL表記にミスあり、下記にてよろしく。 
        https://www.consultant-blog.com/yanagizawa/
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15年06月06日 06時17分15秒
Posted by: yanagizawa

 “歴史認識”とは誠に奇妙なものである。戦前の政治、社会情勢が180度も転換してしまい「ナマスを吹いている」 日本が、日本より遥かに軍事優先の中国や韓国から“お説教”されている。
客観的な比較検討が出来るシンポジウムを三国間で開けないものだろうかと愚考するが、やはり無理であろう。中韓両国の本音は、極度の対日コンプレックスであり、リベンジ心だからです。然し留意しなければならないのは、心底斯様に思うのは数パーセントの為政者と学者で、両国共90%以上の人々は日本とは仲良くしたいのが本音である。然し政治的プロパガンダや継続的教育により 容易に影響を受けると言うことです。若干近代史を俯瞰してみましょう。
1.100年余前、ロシアの朝鮮半島まで南下するのを恐れ、生命線だとして日本が影響力を行使し軍事力を背景に半島に進出し併合するに至り、中国東北地方に“満州国”を作り上げ、更に中国各地に侵攻していったことは紛れもない事実です。簡潔に言えば、本来海洋性国家である日本が、大陸性国家でもあらんとしたと言うことです。現在中国の一部の政治家は、太平洋は中米両国が分け合って管理出来る十分な広さがあると公言するまでになっています。日本の失敗を学んではいません。大陸性国家が海洋性国家たらんとしても、結局は失敗に終わることは日本の歴史を学べば明白だからです。日本のみならず東南アジアや太平洋には海洋性国家が沢山あり、大陸国家との往来を盛んにして、互恵平等の精神で協力関係を深めるのは歓迎しても、中国が支配力や影響力を拡大しようとすることは歓迎しないのは明白です。
2.どんな国や民族にも歴史を遡れば批判されるべき側面と、評価されるべき側面双方を有しています。一方どんな小国、民族でも自尊心を有しています。他国や他民族の否定的側面のみ声高に指摘するなら、平和的な共存にとっては百害あって一利なしになるでしょう。そう遠くない昔、中国人や朝鮮半島の人々を蔑視したり、冷遇したりすることが日本国内でもありました。現在両国からは沢山の観光客が来日しており、一部の方々はあまり  マナーが良くないようですが、殆どの日本人は蔑視することなく心からもてなしていることが、ネット情報として沢山紹介されています。
 又日本での映画やテレビドラマ等でも彼等を蔑視することを目的とする作品はないでしょう。
3.ところが、中国の映画やテレビでは今尚対日蔑視を主要テーマとするのが沢山あるのは周知の通りです。私自身長く中国で生活したので、「東洋鬼」、「日本鬼子」とか「小日本」と呼称しているテレビドラマを沢山見ました。ある知識人との意見交換の場で、「小日本」との呼称には私も賛成すると言ってやりました。相手は一瞬驚いた様子でしたので、「中国と較べて日本は面積では1/25、人口は1/10以下であり間違いなく小日本である。然し小なりと雖も、日本人にも自尊心はある。古代文化では中国や朝鮮半島から、多くの事柄を学び、明治維新以降は欧米からも沢山学び、更に創意工夫しより良い技術、文化として高めたものは枚挙にいとまがない程であり、誇りに思っている。」と反論すると、彼等は話題を変えてしまう他なくなってしまう。
4.韓国の朴大統領が、「日本には千年の恨みがある」と言明したことに対して、日本では驚きを以て受け止められましたが、私は30年以上も前だが取引先の韓国人(当時既に年配で日本語も堪能で、親日的な人として知られていたが)より、会食の席上、酒がまわったせいか、「北朝鮮と日本が軍事衝突してくれたら、即北朝鮮に味方し日本と戦い、積年の恨みを果たすと共に南北統一を成し遂げられるのだが!」と聞かされ、驚くと共に忘れがたい一言として記憶している。 儒教的観念の強い韓国人は、「本来兄貴分の我々に、日本は許し難い事をして来た」との強い潜在意識があると思わされた。次回更に補足説明を致します。

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