2014年 1月の記事一覧
中国で仕事をしていると、部下の中国人が注意力不足や横の協調性が悪いためミスを犯し、又は仕事の遅れを来してもなかなか自分達のミスを認めず、他人のせいにすることが多いことにうんざりすることもあるでしょう。この様な情況はアメリカも同じで、世界的に見れば多くの国々も同様で日本の方が特殊と言えます。 韓国は同様と言うよりはもっと強烈と言えそうです。この様な日本人の常識からは奇異とも不当とも言える国民性(民族性)や対日感情は歴史的体験や環境の相違に根ざしており、客観的な正否の問題としては解決不能でしょう。特に尖閣諸島問題では有事の際本当にアメリカは日本を守ってくれるかどうか時々論評されますが、本件を含めて若干整理してみましょう。米中の共通点を中心にまとめてみましょう。
1. どんな国(民族)でも、他国との間に矛盾や利害の不一致が生じた場合、自国の 利益を第一に考慮するのは当然ですが、米中共に先の大戦では日本は敵国であり、敗戦国であり歴史的負い目を有しているとの認識を有しているが、対日関係が良好に推移している間は、潜在意識に留まっているが、関係がギクシャクしてくると顕在意識に変わってくる。 2. 米中共に日本との貿易関係より、互いの貿易関係がより大規模になって来ており、 中国の米国債保有高も日本より多くなっており、斯様な差は益々拡大している。 アメリカは自動車産業分野で中国に投資し、かなりの占有率を確保しているが対日 投資は日本の自動車産業が弱かった時代に、官民協力により排除してきた経緯があり、潜在的には対日不満になっている。 3. アメリカは中国人にとって憧れの国であり、留学生数も日本人を遥かに上まっており永久居住権を取得する政府高官も多い。一方和食が世界文化遺産に指定され、「おもてなし」等日本文化が世界的に高い評価を得ているので、東アジアでは最も重視されている国と錯覚を起こしやすいが、多くのアメリカ人にとっては東アジアを代表する国は、中国との認識の方が強く、親近感もある。 4. 米中両国人共に日本の「おもてなし」や清潔感、緻密さ、几帳面さには感嘆するが、彼等は大陸的で大まかであり、社交的で楽天的である。色も原色を好む。 彼等には自国は自分達で守ろうとの意識や自国の国旗に対する強い忠誠心があるが、日本人はやや軟弱であり、“平和ボケ”とも言える。 5.米中共に自我意識、自己主張が強く、自分達の価値観を固守する意識が強い。日本人は周りの目を気にする傾向が強く、自己主張も弱く少ない。例えば中国は、日本は歴史認識が誤っているとか、過去の歴史(戦前)への反省が足りないと再三言うが、その様な過去の日本を反面教師にしているかと言えば、むしろ逆である。
お願い:私のブログに対し、ご意見やご異論、ご遠慮なくお寄せください。 「参考になるとか役に立つ」とのことでしたら、お知り合いにもお奨め下さい。
柳沢経歴:以前のURL表記にミスあり、下記にてよろしく。 https://www.consultant-blog.com/yanagizawa/ Mail add: knhr-yana@jcom.home.ne.jp
私が長年参加している中国等アジアの文化に関する学会の仲間から、「中国は知れば知るほど分からなくなる」との指摘がありました。私の中国駐在時も、時間が経つほど中国や中国人は理解不能になる、必死に指導しても空回りになってしまうとの、日本人の嘆きを聞かされたものです。確かに日本の常識ならずとも世界の多くの国々の常識とかけ離れた点が中国にはあるでしょう。民族性や国民性は長い年月を経て形成されますが、日中両国を地政学的に更に歴史的に見ればその相違点の由来は、容易に理解できるでしょう。私の見るところ、むしろ日本の方がより特殊と言えそうです。
島国と言う閉鎖的な社会で縄文時代以来生活して来た日本人は、周囲の人々への気遣いなしには平穏な生活は送れず、地震、台風、火山等自然災害には迅速に一致協力して克服しなければ衣食にも事欠くことになったからです。
偉大な精神的指導者であった聖徳太子の「十七条の憲法」は現代風に言えば、国家公務員の服務規程の如きものでしたが、綿々と1400年もの長い年月に民間にも浸透して日本人の精神的支柱になっており(太子講等通じ)、他に例を見ないでしょう。
特に最近は尖閣諸島問題、靖国神社参拝等歴史認識問題、3-40年前には中国からとやかく言われなかった問題ですが、国力が強化されれば何かと理由を付けて自国の都合良いように改変しようとしたり、自己主張を世界中に触れ回ろうとしたりすることは、別に不思議なことではないでしょう。日本がしっかりと対処すれば良いことです。
「米軍基地の存在は不愉快だ!」と思いながら、一方では「有事の際は当然米軍が助けてくれるはず」と多くの日本人は考えているが、自分の国は自分で守るとの決意が先ずは必要でしょう。日中国交回復の動きがあった40数年前のことであるが、中国は非武装中立を主張する日本の政治勢力の代表達をしばしば招請し北京で会談をしていたが、
ある中国政府の中堅幹部から「実は我々は彼等を信用していない。然し政治的に都合良いから歓待しているだけだ。何故ならアメリカと軍事同盟を結び、アメリカの核の傘で守られ他国が侵攻できない様にして置いて、安心して非武装中立を唱えている連中を信用できる訳がないでしょう」と聞かされたことがあります。平和維持に対する日本人の意識が如何に甘いものであるか、強烈なパンチを食らったような感じになったことがあります。むしろこの点、中国の方が正常な認識と思わされたものです。
次回には日中の共通点よりは、米中間ではより共通点が多いことを整理して紹介しましょう。どんな国でも政府首脳は国益第一で物事を判断しますが、国民性や民族性での類似性が強いほど共感性は得られやすいでしょう。日米同盟と政治体制等普遍的価値観を共有する日米関係、経済及び人的交流で日米を圧倒しつつある米中関係、冷徹に情勢の変化を見たいものです。
但し“閉鎖社会”だった日本の歴史的経験は、地球全体が相対的に大幅に狭くなる50年後、100年後には世界的なモデルになる可能性も十分にあり、一方環境汚染がひどく、社会的格差がひどくなった中国、日本とは比較にならない程蔓延している汚職問題のある中国には、より大きな困難があるとも言えるでしょう。
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