2011年 11月の記事一覧

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11年11月27日 20時51分16秒
Posted by: yanagizawa
中国で工場を操業しても、最近は人件費や物価の高騰が続き必ずしも収益を上げ続け、発展的な展望が見えるとは限らない情勢になってきた。この様な
傾向は今後とも続くと認識する必要があろう。従って、品質向上、歩留向上及びコスト低減活動が、従業員一人ひとりに徹底しているか見極めて、場合によっては見直す必要があろう。何処の国でも通用する普遍的な秘訣を述べる前に先ず、日本人が中国に投資した場合の特殊事情を述べたい。これは「幹部教育の要諦」の前文にも記したが、中国人(韓国人も)は東南アジア、南アジアやその他諸国の人々には、ほとんどない特別な対日感情を有している。勿論個人的には程度の差があるが、長い歴史的関係に影響されており、“反日
教育”のみが原因であるかの様な見方は誤りであり、次の事項を十分に腹に収めて置くべきです。
1、中国は歴史的には東洋文明の生みの親であり、日本は本来子供のような  存在である。銅器、鉄器、文字、製紙や建築技術、都市計画、更には法令や仏教の伝播等、ほとんど「我々の祖先が伝授した」との潜在意識を有している。類似の潜在意識は韓国人にもあり、「本来、我々は日本人の兄か姉である」との意識である。
2、然るに、日本は欧米諸国を追いかけ、追い越す如き勢いで、中国を侵略し
  「軍事力にものを言わせて、傀儡国家としての満州国を勝手に作り、1945年までの15年間に亘り、数え切れない程の同胞を殺傷し、物的損害を与えた」と、殆どの中国人は認識している。<尚、韓国人に言わせると更に   時代が遡り、4世紀末には広開土王碑に記録された如く、大軍を朝鮮半島に送り込み7世紀にも百済を援助するとして、沢山の軍船を送り込み(白村江で敗退)、16世紀末期には豊臣秀吉が2度に亘り侵略、日清戦争以降の支配、併合等、弟分の日本に4回も侵略されたとの怨念を語る人もいる>
3、1840年のアヘン戦争以来、欧米列強が中国各地に治外法権の租界地を作る等、日本に先んじて中国に侵攻し続けたことは歴史的事実であるが、中国人に言わせると「欧米に支配されるのは勿論我慢がならないが、日本に支配されることは、最も我慢がならないことである」と言う。又日本政府閣僚が「靖国神社を参拝するのは許せない」と言うことに関して、「曾って中国漢民族地域のみならず、広くユーラシア大陸で殺戮の限りを尽くし、ついには中国を乗っ取り大元と言う王朝を打ち立てたフビライハーン、特に祖父であるチンギスハーンを今でもモンゴル人は英雄として、祀っているが、中国では何等苦情を言わないではないか」と反論すると、中国のある知識人は「モンゴル族は中国少数民族の一つであり、内モンゴルも漢民族が大部分であり、既に保護対象になっている。外モンゴルは独立国だが内モンゴルより人口も少なく貧しいので、何等問題ない。一方日本は敗戦国だが、経済的文化的に中国より発展しており、太平の時代が続いた江戸時代が明治維新を経て、侵略的な軍事強国になった歴史もあり、油断がならない」とも言う。全ての中国人がこの様に考えているとは言えないが、この様な潜在意識を殆どの中国人が有していると見て間違いない。
4、この様に見れば、中国人に対して如何様に対応すべきか、自から導かれるであろう。即ち古代文化に於いては、確かに日本より先進的であったので、現在の中国人も日本人が出来ることは何でも出来るはずだし、日本人以上にやれるはずと、主張してよい。即ち「ほめ殺し」である。中国が「ものまね大国」と言われて久しいが、日本も曾っては同じだったと反論する。私は再反論し2点について強調してきた。①日本は真似するだけでなく、更に改善しより良いものにして来た。又現代では中国が“粗加工”なら、日本は“精加工”である。多くの中国工場の実態も類似ではなかろうか?
  ② 国際的な条約があまりなかった時代は、別として国際的にも、国内的にも日本人は条約や法令を遵守し、無断で真似するようなことは殆どしないし、また勝手に真似するのは「恥ずかしいこと」とのモラルを有していると。
   歴史的背景も考慮して、日本人が中国人に相対する場合は、相手の自尊心を最大限尊重すると共に、それ相応の責任(と言うより道徳心とか信義と言った方が、中国人の感性には合うが)を、追及していくのがベスト。
 
  「幹部教育の要諦」の背景、目的については、順次解説していく予定です。
  皆さんの遠慮の無いご批判や、ご質問を歓迎致します。

柳沢経歴 http://www.nakatsu-bc.co.jp/komon/komon-2.html
  Mail add. Knhr-yana-@jcom.home.ne.jp

 


  
11年11月21日 14時50分28秒
Posted by: yanagizawa
 中国であれ日本であれ、日本人が中国人を指導育成する場合、大局的な特別な留意が必要であるが、その必要性を十分認識している日本人は少ない。マスコミや日本政府関係者を含めて、中国に対する認識が両極端になっており、バランスが取れていない。中国側も「一衣帯水」とか「同文同種」との言葉に幻惑されて、日本人は自分達の考えや感情が当然分かるはずだとの思い込みがある。2000年来の交流の歴史、明治維新以降の関係、先の日中戦争、反日教育等々、多くの原因があるが、同様の傾向は韓国にもあり、東南アジアを含む他の多くの国々の人達とはまるで異なる。
以上についての解説は暫時保留とし「要諦」として下記十か条に整理してみた。

1.学歴、出身、民族の違いによる差別は一切せず、末端の作業員まで一人ひとりの人格(自尊心)を如何なる時も十分に尊重すること。末端の意見聴取ではトヨタに見習え。
2.仕事効率(生産性)の倍増を目指し、給与や待遇を同業者の2-3割アップを目指す。節約や「もったいない」精神は元々、中国が本場だった。
3.5年後、10年後の自分はどうなっているか、各人が夢を持てるよう道程表を作れ。
  会社発展計画と個人のレベル(職位)や所得向上計画をリンクさせよう。
4.品質向上の基本:5S活動や「品質を作りこむ」運動は、日本での事例ではなく、中国での誰でも分かる事例で以って指導しよう。
5.思い切って任せ、結果責任を問おう。一々指図したのでは責任追及は出来ない。
6.思考力を養成しよう:香港、シンガポール、台湾、韓国が何故“四ヶ小龍”となったか? 自己責任主義と大鍋飯主義(親方日の丸の中国版)の相違を教えよう。
7.積極性の養成:挑戦による失敗を責めず、不作為の無成果や敗北を責めよう(スーパーの国営、民営、外国系の繁盛振りや店員の勤務状態に歴然たる差がある)
8.企業のトップは、戦略(長期、総合的)と戦術(短期、局面的)を混同するな。
戦略の変更では全ての幹部の理解を得よ(同意を得る意味ではない)。
9.企業のトップは、「言行一致」であること。「不一致」があれば、誰も信用しなくなり、面従 腹背となる。又、軽率な発言は不可なり。信賞必罰を含む就業規則は厳守されているか、点検が必要。とかく日本人は「言葉のみ厳しい」と見られている。
10.幹部には、率先垂範を要求し、実態を時々点検すべし。「頭を労するのは幹部で、作業者は体を動かせば良い」と考える、古い考え方の幹部がまだまだ多いのが中国である。

柳沢経歴 http://www.nakatsu-bc.co.jp/komon/komon-2.html
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