需要が飽和に近付いた状況でお客様を感動させることは難しくなったと言われます。少なくとも損したと思わせない店になることが最低条件のようです。店を利用して、失敗したと思うのがお客様にとって一番嫌なことらしいです。

利用回数が減っているので絶対に失敗はしたくない。店側としては、常に選ばれる店にしないと売上が立たなくなっています。

そうすると店側もお客様が得するようなものよりも損をさせない対策が必要かもしれません。

今までは、お客様の満足度は、支払った価格に対する価値で評価されていました。以下のような方程式になります。

満足度=価値÷価格

価格が高くてもそれ以上に価値が高ければ満足度は上がるだろうという評価です。ところが、損をしたくないと思っているお客様が増えて来たということは、この方程式の「価格」の部分は、お客様ごとに支払っても良いと思っている価格があるということです。いくら価値を上げたといっても支持されない可能性があります。

損をしないということは、想定した価格の範囲内で、価値も自分が考えている価値範囲内であることが条件となります。その双方を満たさないと満足されないということになります。

そうすると、損をさせない対策とはどのようなものがあるでしょうか?
常に、期待を超えている商品・サービスを提供している。
ハズレの商品が一つもない。
お客様の懐具合で十分楽しめることができる。

それ以上に、
店が良いと思っているものでも無理に押しつけ提案しない。
もう一品売るよりも一品ずつ丁寧に説明しながら満足度を上げる。
無理にお客様の数を増やしたり、回転率を上げるよりも1組ずつゆっくりと楽しんでいただくことを心掛ける。
どんなお客様に同じように丁寧な接客サービスを行い、がっかりさせない。
といったことが大事になってくると思います。

お客様に得してもらえば、また来てもらえる。口コミで広がって行くという期待感があったと思います。

ところがお客様の心理は変化しています。得したからまた来ようというのではなく、損をしなかったからまた利用してみようというふうに変わっています。その微妙な変化に気付いて、店づくりをすることが大切なような気がします。

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