給与に関しては、会社の規模、組織の大きさによって変わってくると思います。小さな規模の会社が、大企業と同じ仕組みやシステムを導入しても上手く行かないです。きっちりとした給与体系や賃金テーブルも必要ないかもしれません。

昇給・昇格も社長の判断でなさることが多いと思います。明確な人事考課表がある訳ではなく、良い意味で社長の目が判断基準になっているのではないでしょうか?

ただし、一つだけ賃金テーブルがないと不安なことがあります。それは、募集採用の際に、基準値を提示できないということです。他社比較してこれくらいかなぁ、これくらいなら応募してくれるかもしれないというものを提示されます。社内の基準ではなく、あくまでも来て欲しいための他社比較が基準となります。

毎年、人を採用する予定があるなら賃金テーブルはあった方が良いかもしれません。

ところが賃金テーブルを作成してしまうと、採用時に前職の給与を基準に考えると合わなくなります。本人に自社の基準を示し、1年間は自社の基準で頑張っていただくか、それとも前職の給与を支給した方が良いのか悩まれます。

またどうしても欲しい人材をスカウトされる場合、賃金テーブルに合わない場合が出てきます。

一旦、作成してしまうと賃金テーブルの中に収めようとされますので、融通が利かなくなり、かえって良い人材が入ってこない可能性もあります。

だから賃金テーブルの作成には、会社の規模と時期を見極めることが大切だと思います。あまり無理をして仕組みだけを優先されても上手く行かないのではと思います。

でも基準はあった方が良いです。その基準については実際に運用されなくても参考資料としてお使いになる程度のものでも良いと思います。

また、賃金テーブルを作った場合、自社の給与体系はどうなるのか調査・分析を一度なさってみてはと思います。あるべき姿や理想像はどうなのかを調べることも大切です。

でも実際には、中小企業では明確な賃金テーブルがないままに事業運営されているところがほとんどです。良い人材を採用したいと思われるなら、賃金テーブルに沿った採用を目指すべきです。

小さな規模のままでやって行くのか、会社を大きくしたいのかは社長の判断次第です。無理はされずに、給与に関する基礎資料だけは整備されることをおすすめいたします。

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