私にも経験があります。会社に入社したての頃、グラフ作りとセミナーパンフレットの封入作業という仕事が山ほどありました。その当時、外へ仕事を出すという発想もなく、新人の仕事として当たり前のようにありました。

封入作業の場合、何千通、何万通になることもありました。朝から晩まで封入をして宛名シールを貼り、郵便料金計器に通す。本当に単純作業なのですが、皆工夫をして少しでも早くできる方法考え出します。そうすると、他の人もそれを真似し出します。

結局、外へ出すよりも早くできるということに気が付きました。また、宛名などを再チェックする良い機会にもなります。

グラフ作りもマーカーで色を塗るだけでなく、グラフから傾向を読み取れるようになってきます。それがその会社の伝統だったようです。外へ行く前に、クライアント先のデータ分析から傾向を読み取ったり、自分で考えて工夫する癖付けが大事だと言うことだと思います。

ところが最近では、社員がしなくてもいいような仕事は外へ出しなさいというところがあるらしいです。大手企業にこの傾向が強いそうです。

そうするといきなり前線基地で仕事をさせされるようなものです。何の訓練もされていない人が稼いでこないといけません。

無駄を省くのと意味のある雑用は違うような気がします。コストの問題でもなく、社会人として通過しなければならない課題が社内にあるはずです。それを効率化と称して省いてしまうと、素養を育てることができなくなってしまいます。

アウトソージングする前に、自分たちで一度やってみることが大切なような気がします。あるいは、もう一度、どちらが良いのか深く考えてみる必要があると思います。

効率化の弊害は、企業内部で徐々に起こってきているようです。すべてを省くと会社の業績は上向くでしょうか?

雑用をしたことがない社員を作ってしまうと、後戻りできなくなります。そのような大切な仕事を残されても良いのではないでしょうか?

効率化が進み過ぎると、社員が育たなくなるような気がします。

【最新情報はこちらから】経営コンサルタントは武内コンサルティング