どうしても目がそこに行くと思います。今、好調な企業でいろんなことを学んで来て欲しいという願いが込められています。私も同じような立場だったら、そういう判断をするかもしれません。

最新の情報を持って帰って欲しい。伸びている企業で、能力を高めて帰って来て欲しいと思っておられます。

就職先の相談の場合でも、「どのような企業や業界に、うちの息子を行かすのが良いですか?勉強になりますか?」という相談をよく受けます。

しかし、現実的にはどうかと言いますと、息子さんが修行で行かれた業界や会社が10年後、今と同じように好調であるかどうかは保証されていません。逆に今と同じように好調さを維持されている方が稀です。

帰って来ると即戦力で、新しい風を吹かせて欲しいと社長は思っておられますが、その風も数年が良いところだと思います。5年、10年経つとまた新しい風を吹かさないと事業を維持できなくなっていることが多いです。

今好調な企業に目を付けて、そこから何かを吸収して来て欲しいというのはわかりますが、賞味期限があるように思います。

息子さんが修行されて習得してきたことだけで、これから何十年も安泰という訳にはおそらく行かないでしょう。社会人になって数年で覚えた貯金なんてすぐに吐き出してしまいます。

それよりも人間的に大きくなる勉強をされて、今後の人生に活かせる修行をされた方が良いと思います。

技術やノウハウを会得してもそれは一時的なものです。賞味期限が切れると、また違うところから仕入れないといけません。

息子さんに立派になって欲しいなら、人間的に成長できるところを選ばれた方が良いのではと思います。個人的にも技術やノウハウ習得のために就職先を決めるのはどうかなぁと思うようになっています。

それは企業の盛衰、業界の盛衰が速すぎるからです。順調に右肩上がりで、成長し続けるということはないです。

逆に窮状に陥っている会社で必死に頑張った方が勉強になるかもしれません。最先端の情報は、今の時代、どこからでも入ってきます。それに好調な会社でしか学ぶことができないというものもないと思います。

今好調な企業や業界でもいつ危機的な状況に陥ったり、衰退するかは誰もわかりません。だから、企業や業界に合わせるのではなく、息子さんが立派な社会人として成長できる機会を見つけてあげることが大切なのではと思います。

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