普通は、一般常識を教え、業界の常識を教えると思います。しかしオーナー企業ではそれ以上に大事なことがあります。社長や奥さんの考えを伝えたり、教え込まないといけません。

ひょっとすると世の中や業界の常識よりも社長や奥さんの考えを優先する場合があるかもしれません。それくらい大事なことです。

今まで培ってきたやり方、考え方をお持ちです。それが基準となります。その基準に合わせて従業員の方もやっていただかないと困ります。

だから教育研修の依頼があった場合、どのような会社で、どのような文化をお持ちなのか確認させていただきます。

オーナー企業の場合は、社長・奥さんの考えを噛み砕いて伝えることを最優先課題にしています。それを理解していただかないと、前に進みません。

どんなに素晴らしい研修内容であっても社長や奥さんの考えに合わなければ、意味がないからです。

逆に、このような独特の文化や考え方が非常に大事です。特にやってはいけないこと、やりたくないこと、今後も手を付けないことを明確に持っておられるかどうかです。

ただ単に時流に流されて商売をするのではなく、このような明確な基準があるかどうかで業績は変わってきます。

オーナー企業では、自分たちがやってきた過去の歴史がそのまま教育マニュアルになっています。それを崩してまで、何か新しいことに着手するということはあまりないと思います。

だから社長や奥さんがどのようなお考えをお持ちなのか、常にお聞きするようにしています。教育研修依頼があったとしても私たちの考えに添ってやって下さいと暗に示されているように思います。

でも何十年も商売をされてこられている方のお話は含蓄があります。こちらがメモを取らせていただいている状況がよくあります。本当に勉強になります。

それなのに、教育研修を依頼されるということは、ご本人がまだまだ満足していないから、もっと勉強することが必要だと感じているからだと思います。

実は、オーナー企業の教育研修会で一番メモを取っているのは、最後尾に座っておられる社長と奥さんです。必死にメモを取っておられます。

その瞬間、この会社はまだまだ伸びるのではと、逆に怖くなります。微力ながら少しでもお力になれれば幸いです。

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