業界動向が良い時や業績を伸ばされている時は、誰がやっても上手く行くでしょう。大事なのは、悪い時にどうするかです。

経営は事業ですので、良い時もあれば、悪い時もあります。たまたま悪い周期の時に経営を任されることもあると思います。

しかし、そこをどう打破するかが腕の見せ所です。

悪い時は、対策を絞り込むこと。あれこれと悪いところを直そうとするとかえって効果が出ないことが多いです。それと何から着手すれば良いのか迷われます。

経営数値に関してもすべての数字を改善するには1年では無理です。第一目標としては単年度黒字化が良いと思います。

それが達成できてもさらに難しい問題があります。継続して利益を題し続けるということです。初年度は、固定費の削減や諸経費のカットで数字上は良くなるでしょう。しかし、そこから先の将来に向けての方向性と誘導が一番の課題になります。

優秀な経営者の方は、経営状態がいろんな理由で悪くなるであろう時期を想定されています。逆に悪い時期がないと会社が伸びないともおっしゃいます。悪くなった時にあれこれと改善・改革を行いますので、会社はより強くなります。

ところが悪いと言っても改善・改革を行えば回復できる範囲内に留めておくことも大切です。自社努力で立ち直れないほど悪くなると、回復は難しくなります。金融支援を受ける前に手を打つことです。

また金融支援を受けるくらい悪い時は、自分の中で判断せずに、周りの方の協力を仰ぐことです。この段階では、社内改革ではなく、BS上の問題になっています。大きな改革、ジャッジをしないといけない時です。

その時、経営者はどう動くかで評価されると思います。悪い時は何をやっても成果が出ないものです。焦せらず、1年後を見て、単年度の黒字化だけを考えられてはいかがでしょうか?

まずそれが大前提です。それをせずして周りは評価してくれません。協力してくれないと思います。

悪い時を乗り越えた経営者の方が一流の経営者だと思います。逆に悪い時代を経験していない経営者の方を評価することはできません。だから悪い今を乗り切って下さい。社歴に名を残して下さい。

悪い時が名を残すチャンスです。