飲食業の場合、美味しい料理を作れる腕を持っていても店を持てるかどうかは別の話になります。そのため大手飲食業では、調理部門と店舗運営部門を最初から分けているところ多いです。

腕の良い方はたくさんおられます。好きで入った業界ですから、目標を持って腕を磨かれます。あっという間に一人前になることができるという魅力もあります。

店の接客もホールへ出ればある程度習得が可能です。そこから先が、独立する際に一番大事になってきます。それは、マネジメント力です。つまり数字を見れるかどうか、それが大きな鍵となってきます。

数字が見れないと、個別のメニューの原価計算もできずに、料理を提供するだけになります。しっかりと利益が出るように組み立てる必要があります。

意外と飲食業で独立開業される方の数が少ないのは、このためではとも思います。いくら腕に自信があっても数字が見れないと経営になりません。かと言って飲食業の開業独立に関する学校がある訳でもないです。自分で習得するしかないです。

管理職としての役割も同じです。数字を見れないと管理職とは言えません。そこから逃げていると次のステップへは行けません。

数字が一つの壁になってきます。それを会得した瞬間、次のステップが見えてきます。マネジメント力は日々、数字を意識して見ることからです。どういう数字の組み立てになっているのか一つ一つ理解して行くことです。

日銭商売で、毎日仕入れて売上が立ち、いろんな支払いをして残りが使えるお金というのなら良いでしょうが、人を使って、店を運営するとなるとそうも行きません。

経営センスが条件のようです。どの業界でもそうですが、ある程度の役職が付くとこのマネジメント力が問われます。

経営者とは利益を出すことのできる人。管理者とは利益概念を理解して、そのために努力する人。そうでないと会社や組織体を運営することが難しくなります。

本や雑誌だけでなく、生の経営数値を見ながら、一つずつ理解度を深めることが大事です。月報の数字が出れば、その中身を理解してみたくなって下さい。

この数字はどこから出てきているのか、改善するためにはどうすれば良いのか、常にそのことが頭にあるようになった時、次のステージが見えて来ると思います。

経営は数字です。