競合他社が本年から参入してきます。どのような数値を作ればよいですか?と言うご質問がよくあります。

だいたい皆さん、質問なさる方は自信がおありのようで、少し減るか、頑張って今年の数字を維持できると考えておられます。

しかし、マーケティング上一番厄介なのはこの競合他社の参入です。どの業界でもマーケットが大きくなる可能性は少ないです。どちらかというと縮小している業界がほとんどです。

同じパイの取り合いになっている中で、新たに競合他社が参入してくると、まず上位3社くらいに影響が来るでしょう。

翌年は、さらにその下位のグループが数字を落とすことになるでしょう。上位3社が巻き返しを図って来るからです。

だから、10%ダウンは当たり前、15~20%ダウンで留めれば良い方ではというのが正直なところです。

今までのように昨対を上回るという売上予算を組むのではなく、縮小した予算組みが必要です。そうなると、売上予算だけではなく、それに応じた固定費の削減も必要になってきます。

また粗利率の見直しも大事です。売上が下がることが分かっているなら、原価率を下げ粗利を少しでも上げる施策を考えないといけません。

競合他社が参入してくるということは、事業を見直すチャンスです。予定以上の経費の圧縮が出来、粗利率も改善できるとなると、それが利益に直結します。

ただし、競合他社が参入してきた場合、粗利率は下がる傾向にあります。だから経費の圧縮を予定以上に進めておかないと、利益が出にくくなります。

売上が下がること以上に、粗利が下がり赤字になる可能性が高くなることを想定して数値を組み立てておく必要があります。

新規参入があると、どこかの企業が撤退しない限り、この低迷傾向は続くことになります。

競合他社に勝つ対策だけでなく、事業存続の戦略も含めての対策が必要です。
利益の出る状態に変換できるかどうか、その見極めのための数値づくりが大切なような気がします。