経営理念や企業理念は、どの会社も掲げられています。社長室や会議室に行くと額に入って、壁に掛かっています。朝礼時に唱和されているところもあると思います。

最近、ふと本を読んでいると「人事理念」という言葉に出く合わせました。
今の時代、一番大切なのは人事労務問題です。この人事に関する理念を作った方が良いのではと考えます。

どういう人事戦略で行くのか、従業員数や人件費などは中長期経営計画書の中に織り込まれていると思いますが、人事に関する方向性や考え方など明記したものはありますでしょうか?

経営数値は、業界数値に照らし合わせながら規模に応じて算出・チェックされますので、大きな違いはないです。ところが人事面では、各企業ごとに考え方はまちまちです。

人事は、企業間で大きく差が出るものです。汲々とした状態で、何とか雇用しているというのではなく、しっかりとした考え方が必要です。

どういう人を育てて行きたいのか?あるいは自社の社員としてどうあるべきか?それを明確にすべきです。

この人事理念がないと、給料だけをもらいに来る社員が出てきます。会社に貢献する、役立つためにどうあるべきかを教え込む必要があります。

どの企業においても最終的には人です。どういう社員を育てたかによって業績は変わります。人事に対する考え方を固めて行かないと、規模だけが大きくなり中身のない会社になる可能性があります。

業績低迷の理由を探って行くと、人にぶち当たります。他社さんのような優秀な部長さんがうちにもいてくれたら、もっと数字は上がっていたのにと愚痴をこぼされます。

商品やサービスは真似できても「人」は真似できません。育てるしかないです。
トップは、経営者である以上、雇用や教育に対する自分なりの考え方が必要です。その考え方をまとめたものが人事理念です。

経営理念の下に、人事理念がしっかりと明記されている会社が今後伸ばされそうな気がします。

人事の役割の大きさをもう少し認識されても良いのではないでしょうか?
商品やサービスの改善・改革以上に、この人事面での改革が企業再生や業績向上には欠かせないもののように思います。